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死して未だに時計は回る。
僕は、ひとつ知っていることがある
それは僕は死んだのだということ。
いつ、何歳で、どうやって死んだかは覚えてない。
でも、もうひとつ知っていることがある。
僕はまだ、本当に死んだわけではないらしい。
"人の時間を司る世界"。
死んだ僕が連れてこられたこの場所を、
亡き先輩はそう呼んでいた。
生前の記憶を無くし、天国でも地獄でもない謎の世界に行きついた。
そこでは、『"いま"生きている人間の魂に埋め込まれた時計を観察し、管理している』という。
自分以外にも、何らかの原因で行きついた人達がここで活動し、各々が各々に割り振られた『時計』を観察している。
一体誰が、何のためにこの世界に自分たちを呼んだのか。
自分はここで何をすればいいのか。
―――ここは、死者が生者を見る世界。