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2回目 開花! 特殊能力『ニート』

「なんだこれ……」

 起床時の恒例になっていたステータス・状態表示画面の確認。

 それをしていて驚いた。

 特殊能力『ニート』が変わっていたのだ。



 正確に言えば、付随する技能や技術があらわれていた。

 ニート能力の成長に伴って。



「『調理品の入手』って……えーと」

 新しく出来るようになった事の詳細を表示させる。

 出来る事、効果を確かめるために。

 それによると、MPを消費する事で、食事が手に入るという。

 最初は簡単なものしか出現しない。

 だが、成長させれば、高級料亭の料理も出て来るとか。

「さすがニート……」

 ありがたいが、こんな能力でどうしろと、と思ってしまった。



 だが、食費が浮くのはありがたい。

 その分、出費をおさえる事が出来る。

 早速能力を使って料理を呼び出した。

 目の前に、おにぎりが何個かと、味噌汁・漬け物が出てくる。

 割り箸もだ。

「…………」

 何とも言えずに、苦笑が漏れてきた。



 だが、それからの生活は快適になっていった。

 調理品を呼び出す事で、『調理品の入手』が成長する。

 成長だけでなく、経験値も以前より多く手に入るようになった。

 何かしら行動する事で、経験値が更に増えるようだった。

 それを利用して、ニート男は特殊能力『ニート』を成長させていく。



 料理が出て来るようになったのだ。

 成長させれば、更に何かが出て来るかもしれない。

 それを期待していた。



 例え何も出て来なくても、それはそれで問題は無い。

 どうせ無駄にくたばっていくしかないのだ、このままいけば。

 もとよりそれがあるべき未来だった。

 そうなったとて、「ああ、そうなったか」で終わる。

 ある種の自棄がニート男にはあった。



 無駄に終わっても本来あるべき所に落ち着くだけ。

 そう思えば、何も気負うことはない。

 それが少しは変わるかもしれない。

 そう思えば、多少は夢も抱ける。

 その夢を、ニート男は楽しむ事にした。



 その思いは良い方向に転がっていった。



 特殊能力『ニート』

 それは確かに役立つものではないだろう。

 だが、全く意味が無いというわけでもなかった。

 少なくともニート男にとっては。



 特殊能力『ニート』は、ニートとして生きていくための能力だった。

 その為に必要なものを手に入れていける。

 食べるもの、着るもの、住む所。

 特殊能力の成長とともにそれらがあらわれていった。



 また、人の持つ欲求。

 寝る、食べる、そして種族保存の生殖行動。

 これらを満たすものも出て来た。



 食べるものは既に述べた通りに。

 衣服も快適なものを出現させられるようになった。

 更に、住む所にいたっては、別空間に自分の住処を構える事が出来た。

 おかげでニート男は、手にした生活費が尽きる前に居場所を確保出来た。



 それだけではない。

 何もしないでいられる。

 それ故に出て来る有り余る時間。

 それを費やせる娯楽も出現させられた。



 アニメ、漫画、ラノベ、ゲームなどなど。

 異世界転移したために二度と見られないと思っていたもの。

 それらを再び手に入れる事ができた。

 MPを消費しなければ手に入らないが。

 しかし、MPは休息をとれば回復する。

 事実上、無料でいくらでも手に入れる事が出来た。



 また、外部の情報も手に入れる事が出来るようになった。

 世界で起こった出来事。

 それらをニュースとして手に入れる事が出来る。

 それらを、入手したパソコンやスマホで閲覧が出来る。

 保存だって可能だ。



 更に、外で活動させるためのアバターも生み出せるようになった。

 分身を作って、外で活動させるのだ。

 外見は生身の人間と変わらない。

 しかも、ゲームのキャラクターのように改変可能だ。

 それをFPS視点で動かせる。

 なんなら、自動的に動かす事も出来る。

 これのおかげで、別空間の部屋の中にいながら、外での活動が可能になった。



 おかげでニート男は、部屋の中にいながら冒険が可能になった。

 しかも、レベルが上がる事でアバターというかキャラクターを複数作れるようになった。

 それで一つのパーティを作って行動させる事も。

 気分はRPGである。



「凄いな、ニート能力」

 屋敷や館、城や宮殿。

 そう言って差し支えない広大な部屋。

 ニート能力で出現させたその中で、ニート男は何度も繰り返した言葉を口にした。

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