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幼なじみ
今日も今日とて慌ただしく忙しく仕事をこなして愛菜は帰宅の途中だった。
季節は春。
新しく入園してきた園児のクラス担当になった愛菜は保育士五年目であっても目の回るような毎日を過ごしていた。
明日のひよこ組で読む絵本の選定の事をつらつら考えていた愛菜はふと空を見上げた。
一番星が輝く夜空になりかけの空。
祖母の星は何処だろう……。
思わずそう考えてしまっていた。
そのまましばらく空を見ていた愛菜の背中を誰かが叩いた。
「よっ!」
「響也」
スーツ姿の青年に愛菜はホッとして名前を呼んだ。
そこに居たのは幼なじみの響也だった。
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