表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
重症純愛オタク  作者: 帝都
4/4

運命の人

津長(つなが) 莉子(りこ)27歳の場合。


彼氏いない歴イコール年齢。

喪女、

喪女、

喪女、


誰かから告白されたような経験もない。

好きな人は遠くからじっと見つめて、

それで満足。




まぁ、じっと見つめていても、

いい事なんてないんだけれど。


気持ち悪がられて終わり。



いや、挙句の果てに罵られるか…

本当に気持ち悪がられるかのどちらか。




人権すらねぇのかよ。




恋すらしちゃいけないのかよ。



もう、そんな感情、とうの昔に捨てたけど。


期待はしていない。


こんな人生。





ってか、そもそも私の人生ってなんなんだろうか…

親元を離れ就職。

とは、言ってもフリーター。

恋人、友人、ナシ。


頼れるような人も周りにはいない。



性格も卑屈だ。まあ、そうなるわな。

見た目も悪いし、中身も悪い、

いいとこ無しだ。



生きている意味、あるのかな…




つまらない毎日、つまらない日常。

それなのに、周りは楽しそうで、

憎い、憎い、羨ましい、

寂しい、つらい、



寂しい。



あーあ、私にも幸せ、訪れないかな。



そう思いながら、何気なく動画サイトを開いた。






そこで、出逢ったのだ。



"運命"の人と。





「えーと、初見さんいらっしゃい。りこ…さん…で合ってるかな?初めての子だよね?」



優しい声音、

長らく呼ばれていなかった、下の名前…


その瞬間、トクン…と心臓が脈打った。





名前を呼ばれただけなのに、


いいや、違う。




それだけでも私にとっては充分だ。




ぽっかりと空いた心にすっと、彼が入り込んできた。

柔らかく、あたたかく、


こんな私でも…







誰かに…




必要と、されたい。






急いで、キーボードで文字を打つ。


【はい、りこであってます!】








………、ドキ…ドキ…




心臓がうるさい、





れお「りこさん、!良かった。合ってた!」







認められたい。必要とされたい。


その願望が少しでも叶ったような気がした。




大袈裟かもしれないけれど。










評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ