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5大会議 part1

お待たせしました。

 詳しい内容は多数の人を交えて別の場所で話すという事。

 簡単な内容でも事態は良くないのは明白。

 国のトップ等と会議でもするのだろう。

 頼んだのは自分という事で、ソリトはルティア達と共にクティスリーゼの案内の下向かった。


 ただ、ルティアはこの件を既に聞き及んでいた。

 ソリトが目覚めたのが正午を少し過ぎた辺り。

 その前に一度ルティアとクティスリーゼは起床し、クロンズ達の刑を執行したという。その時クティスリーゼが話したのだろう。


 到着したのは中央都市アルス中央区域西側、アルスを統括する会頭のラルスタの住む二階建ての白い屋敷だった。

 その二階の一室が会議室となっているという。


「あるじ様ー早くかえってきてねー!」

「マスター…私も」

「い、行ってらっしゃいッス」

「大人しく待ってろよ」


 ソリト達の中で参加出来るのは、ソリト、ルティア、クティスリーゼの三名という事で、ドーラとは一階で別れる事となった。

 他二人のパーティメンバーも各パーティ事に用意された部屋で待っているという。

 ドーラだけ誰もいないのは寂しいし、退屈だろう、と思ったソリトは、聖剣と聖槍にも待ってもらうことにした。

 魔力も回復しているので問題はなかった。


「……あの、ソリト」


 階段を上っていると、クティスリーゼが戸惑った様子でソリトに話し掛ける。


「何だ?」

「その、出来れば怪しいので、仮面だけでも外していただけませんか?」


 現在のソリトは普段のジャケットコート等の黒ベースの服に加えて、赤色模様の付いた白い仮面、両手は普段の黒の指抜きグローブから一般的なグローブに変更している。

 外見は暗殺者にも見えなくないが、不審者にも見えてしまう。


 これには理由がある。

 今回話に参加する人物。

 それはこの都市に来ている王妃や女王だと予想される。加えて聖女二人。

 もし、極度の方向音痴で【守護の聖女】であるリーチェが発見されているのならば三人。

 更に二人の勇者内一人は女。

 ラルスタの家で行うという事は本人も参加するだろう。

 ソリトを含めて男性は三人。

 圧倒的に女性率が高い。


 この状況はソリトにとっては最悪としか言いようがなかった。

 そこでソリトは、仮面で視界を狭め、グローブを変えて肌を隠す事にしたのだ。

 気休めでしかないが、やらないよりはまだ良い。

 それがソリトの判断である。


「気にするな」

「ですが…」

「後で仕置きでも罵倒でも一回…」

「どうぞそのまま付けてくださいまし!!」


 自業自得とはいえ、ソリトは会議室にいる者達よりも、その後の事に対して気が重くなった。

 この時、ルティアが興奮するクティスリーゼを尻目に歩いていた。


 それから会議室に入ると、二十四席規模の巨大な円卓が置かれていた。

 大多数の参加を予期していたかのような異常な席数は既に十席埋まっていた。


 入ってすぐ正面の席に、アポリア王国女王ロゼリアーナ。


 テーブル右側中央の席に、国王代理となったクレセント王国王妃リリスティア。その左隣にリリスティア娘【守護の聖女】リーチェ。


 テーブル左側中央の席に、ステラミラ皇国皇帝ユリシーラ。右隣に【雨霧の勇者】狼牙族のシュオン。


 正面奥の席と左隣には、見知らぬ女性と少女の二人がおり、右隣に【日輪の勇者】グラヴィオースが座っていた。

 四方で固める様な形で国別で座っているという事は、グラヴィオースの右横二列の席に座っている二人は、アルマ帝国の妃もしくは女王なる人物と【加護の聖女】なのだろう。


 そして、ステラミラ皇国とアルマ帝国の間に挟まる形でラルスタが座っており、アルマ帝国とクレセント王国の間の席にカロミオが座っていた。

 中立という立場であるからだろう。


 ルティアとクティスリーゼも皆に習って各国別の席へ座る。

 ソリトも後に続くように、クレセント王国とアポリア王国の間の席へ向かう。

 その時、グラヴィオースが椅子から立ち上がって、ソリトの方へと歩いてきた。

 目の前までやって来ると、バルデス程ではないが百八十センチメートルはある男が突然ソリトに対して頭を下げた。


「あの時は、申し訳なかった。言い訳しない。これ以上はただの自己満足になる」

「……なら俺は何も言わない。謝罪を受け入れるだけだ。返り討ちにしてるからな」

「ははは…それには何も言えないな」

「話が終わりか?」

「うむ、これだけだ」

「最後に忠告しておく。教会だろうが国だろうが、敵に回す事になったとしても、お前だけじゃなく、邪魔をするなら………」


 殺気の籠った眼光を向けながら、ソリトはグラヴィオースに躊躇いなく言い放つ。


「殺す」

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