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札取王

作者: 鷹村紅士

本作品において『かるた』が出てきますが、作者は『かるた』を誹謗中傷する意図はございません。

あくまで一要素です。

スランプのリハビリ作品。

「僕は、君に、決闘を申し込む! 勝負だ!」

「しねぇよ」


『札取王』というアニメがあった。

 内容はかるたを題材にした作品で、とにかくかるた尽くしのものだった。

 老若男女、すべての人間はかるたで遊ぶ。

 小さな子供は授業や塾でかるたをして、大人たちは接待やお茶会でかるたをして、老人たちも仲間で集まってかるたをする。

 かるたの世界選手権が開催されていて、世界各地から代表選手が日本に集まって盛大に盛り上がる。

 まぁ、そこまでなら特筆するものでもないのだが、そこは視聴してもらわなければならないので、この作品はかなりぶっとんでいた。

 かるた強豪校が普通に出てくるし、かるた室という専用の部屋もある。

 さらにかるた用スペースを搭載した車両や、緊急展開かるたシートなんていう携帯用設備、VRかるたシステムといった、最新科学技術の無駄ともいうべきガジェットの数々。

 果ては精霊や悪魔、神や仏といった高次存在ともかるたでバトルする。

 そんな作品の登場人物たちもかなりぶっとんでいる。

 普通の少年少女たちはもとより、ボディビルダーや格闘家然とした者たち、そこらの暴力至上主義であろう不良たちが、外国のマフィアたちが、屈強な軍人たちが、真面目な顔で真剣にかるたで戦う。

 そのシュールさがかなり受けた。


 ここまでの説明でこの作品のことは一割も説明できていないが、かなりカオスな作品だということは分かっていただけただろうか。


 さて、何故こんな事を説明するのかと言えば、今現在、俺はこの『札取王』の世界にいるからだ。


 *****


「何故だ!?」

「何故もなにも、俺はかるた以上にやらなきゃならん事がある。だからお前と遊んでいる暇なんかない」


 目の前にいるおかっぱ頭の神経質そうな美少年──『札取王』におけるライバルキャラにして、かるたの神に愛されし【神童】、伊王野翔真の戯言を斬って捨てる。

 この野郎は昔から俺に喧嘩をふっかけてくる。

 かるたで遊ぼうぜ、くらいなら可愛げがあるが、上から目線で義務だのなんだのと屁理屈をこねて俺にかるたを遊べと命令してくる。

 正直に言って、うざい。


「貴様ぁっ!」

「翔真殿になんてことを!」

「我々に対する侮辱か!?」

「かるたを愛していないのか!?」

「ゲスが!」


 俺が翔真にNOを突き付けたら、外野からのブーイングが沸き起こる。大人数の怒声はまるで地鳴りのようだ。

 ここはかるた世界選手権の会場だ。

 先ほどまで世界各国の代表たちが熱いバトルを繰り広げ、世界最強のかるたファイターが決まったばかりだったりもする。

 それで、俺が立っているのは会場中央にある、試合を行うためのかるたスペース。国産の最高級畳が敷かれ、職人が丹精込めて作ったかるたの札が整然と並べられている。


「お前は……いつもそうやって!」


 怒号の中でも、不思議と翔真の声は俺に届く。


「つーか、さ」


 周囲の、俺に敵意剥き出しな連中がいる観客席をぐるりと見渡す。


「嫌がる人間に何かを強制すんじゃねぇよ」

「ふざ──けるなぁっ!」

「やめてよ翔真君!」


 先ほど、世界最強のかるたファイターとなったばかりの【神童】が暴力に訴えようと詰め寄ってきたのを、一人の少女が抱き着いて止めた。

 活動的な印象の美少女で、翔真と同じ学校の女子制服に身を包んでいる彼女は辰巳蓮華。

『札取王』におけるヒロインキャラで、俺の幼馴染だ。


「蓮華! 止めるな!」

「でも!」

「痴話喧嘩すんなら帰るぞ」

「かるた! そんなこと言わないで!」


 名前を呼ばれて一気に機嫌が悪くなる。


「そう呼ぶなっつってんだろ!」


 押さえきれない怒りのまま叫べば、翔真が蓮華を守るように背後に庇う。


『札取王』という作品の主人公は、道明寺かるたという。

 原作では、かるたがかるたで遊びながらかるたの楽しさに目覚め、かるたを通して幾多の強豪たちと戦い、多くの絆を紡ぎつつ、最終的にはかるたで世界の滅亡を防ぐという王道バトルファンタジー(公式)だ。

 しかし、今現在の俺は競技としてのかるたとは最低限の関わりしかない。

 そもそも俺は道明寺かるたになる前はただの学生だった。

 最後の記憶は受験のために図書館で勉強しようと歩いていたら何か衝撃を受けたように視界がぶれたというもの。

 予想は出来るが、実際に何が起こったのかは確かめようがない。

 それよりも気が付いたら道明寺かるたになっていて、父親から超ド級の期待をかけられていてびっくりだった。

 道明寺かるたは母親を早くに亡くし、父親との二人暮らし。ヒロインの蓮華が世話を焼き、共に育ってきたというもの。

 どこの王道ラブコメだ。

 ただ、俺は原作の道明寺かるたではない。そこで原作とは乖離が起きた。

 父は昔かるたの世界選手権出場を夢見て頑張り、その過程で怪我をしたせいで世界選手権出場の夢を断念した過去を持ち、絶望していた時に母親と出会って、人並みに精神を回復させて、生まれた息子に自分の果たせなかった夢を託すためにかるたと名付けた。

 ぶっちゃけ、かるた至上主義な空気が蔓延る世界において、かるたという名をつけるのはNGである。

 賛否両論どころか非難轟々である。

 至高の競技を冒涜するな、的な感じだ。

 でも、父親は強行した。

 周囲からはあいつなんなの? と冷たい目で見られ、母親は病気になり、この世を去ってしまった。

 そんな環境でも、原作のかるたは純粋にかるたを楽しむ子供だったが、俺は違う。

 勝手に名付けられたにも拘わらず俺を空気読めない愚者扱いする大人たち。そんな大人たちに倣って俺をイジメる連中。

 さらには翔真のようなかるたガチ勢による、「そんな名前なんだからかるたを愛してるんだろう?」という謎の威嚇。

 嫌気がさすのも当然だと思わないか?

 俺は自分の名前が嫌いだ。

 そうして俺はかるたと必要以上に関わらないようにして、それ以上にやりたいことがあったからそっちに邁進してきた。

 となると、どうなるか。

 当然、かるた脳な蓮華から、


「かるたって名前なんだからかるたやろうよ。楽しいよ?」


 などとラブコールを年がら年中送られても突っぱね。

 翔真を筆頭としたかるたガチ勢からは、


「かるたと名乗るからには、とんでもない腕前なんだろう? 腕前を見てやろう。勝負だ!」


 と一日に何回も勝負を挑まれ続けたので全力で逃げるはめになったわけだ。

 とても邪魔だ。

 原作ではいいライバルの男性陣とも、ラブコメ展開が多い女性陣とも関わることを避けた。

 避け続けた。

 本来なら高校生となって蓮華や翔真と同じ高校に行くはずだった道明寺かるただが、俺は別の進学校へ入学した。

 直前までその学校へ行くと言って、騙したと言われればそれまでだが実際は進学校を受験するという手を使って、原作主要メンバーの通う高校から逃げ、進学校でもほぼぼっちのまま過ごしている。

 そうしたら翔真はガチ切れして、蓮華はガチ泣きして、何がどうなったか知らないが二人は恋人になった。

 用事を済ませて歩いていたら、イルミネーションの綺麗な場所で初々しいキスをしていたから間違いない。

 しばらくは静かになっていたが、今回の世界選手権に翔真が出場することになり、わざわざ俺にプレミアムチケットを送ってきた。

 行く気はなかったが、ガチ勢に取り囲まれて連行された挙句、決勝に勝った翔真が勝利者インタビューの最中に俺を名指しで勝負を挑んできた。


「僕には勝ちたい相手がいます。道明寺かるた! 僕と今ここで勝負だ!」


 迷惑だ。

 そう思っても警備員に強制連行されて会場ど真ん中に。

 そうして痴話喧嘩が目の前に展開された訳だ。


「お前は! お前はいつもそうだ! かるたという名前でありながらかるたを否定する! どうしてそんな非道な事ができる!?」


 歯をむき出しにして威嚇する翔真の言葉は、はっきり言って意味が分からない。


「俺が好きでこの名前を付けたわけじゃない。親父が勝手につけただけだ。こんな名前好きじゃない。今すぐ改名したいけど、未成年じゃ親の同意が必要とかクソみたいな規則でできねぇし。それに、嫌がる人間に嫌な事を強要すんなっていつも言ってるよな」


 この光景は世界中に配信されている。

 どうせなら世界中にぶちまけてやる。


「だから──」

「それに、俺にはやりたいことがある」

「かるた以上にか!?」


 翔真は本当にかるた脳だな。

 というか会場にいる人間全員か。

 会場にいる全員が俺に対して文句を言ってくる。事細かな内容は分からないくらいだけど、「ふざけんなこの野郎」的なものばかりなのは確かだ。


「ならば言ってみろ。神聖なるかるた以上にやりたいこととは一体なんなのか!?」


 おお、いいねその振り。


「俺は医療に貢献したい」


 迷わず言えば、怒り狂っていた翔真も、庇われていた蓮華も、俺を非難していた観客たちも黙った。


「俺の母親は、小さい頃に病気になった。現代医療でも完治が難しい病気だった。俺はもっと母さんと一緒にいたかったのに、病気が治らなくて亡くなった」


 静かな会場に、俺の言葉だけが響く。

 ざっと周囲を見渡せば、誰もが口を押えている。


「家族がいなくなるのは、きつい。だから、俺はもっと確実に、病気が治る手段を探したい。医者というよりか、研究者かな? とにかく、この世から一つでも病気を無くしたい。だから、俺はかるたをする以上に勉強に時間を費やしている」


 まっすぐに翔真を見れば、青ざめた顔で今すぐにでも吐きそうだ。

 蓮華も涙を浮かべている。


「……そ、それなら、言ってくれれば」

「言ったぞ。小さい頃、お前が俺の名前に因縁をつけてきてから、何回も。蓮華、お前にも何度も言ったよな? 家族を病気で失うような、悲しい思いをする人を無くしたいって」


 そう。

 俺だって別に何も言わずに逃げていた訳じゃない。

 きちんと理由を言った。これこれこういう理由だから、俺はこうしたいと説明したんだ。

 何人も何人も。

 何回も何回も。

 でも、さ。


「翔真、蓮華、それに今まで俺にかるたをやれと言ってきた全員に、俺は説明した。でもお前らはそれを無視したよな? 俺の名前がかるただからって、かるたをやらない理由にはならないって。聞く耳持たない。俺の主張なんぞ無視して、そんなことはいいからかるたをやれってそればかりじゃねぇか」


 本当に、


「疲れたよ。お前らと関わるのは。だってさ、人の命を救う事よりも札取りを優先しろっていうんだから。いや、馬鹿にしている訳じゃないんだが」


 目頭を思わず揉む。

 最近、視力が悪くなってきてんのかな。眼鏡でも作るか。


「なぁ、翔真、蓮華。俺がそういう目標に向かって努力をしているのは悪い事か? なぁ、お前ら、俺が医療系に関わろうとするのは許されないことか? なぁ、ここにいる観客さんたち。俺は非難されるべき悪人か? なぁ!? 答えろよ!」


 誰も、何も言わない。

 かるた脳が蔓延るこの世界ではそれでもブーイングが来ると思っていた。

 翔真たちを筆頭に今まで俺に関わってきた連中はギャーギャー言ってきたからな。

 この会場でもそうなるかと思っていたのに、拍子抜けだ。


「……もう俺に関わるな」


 肩透かしを食らったせいか、なんか一気に疲れた。

 さっさと舞台を降りる。

 もう俺は、翔真にも、蓮華にも、原作主要メンバーにも、対して情がない。

 お前の事情など知らん。こちらのいう事を聞け。

 長年そんな事を言い続けてきた人間に関わろうという気概は俺にはない。

 俺に関わらなければ好き勝手やってろ。

 さっさと会場を出て、俺は帰宅するべく駅へと向かった。

 勉強の続きをしなきゃ。


 *****


 カタカタとキーボードを叩き続け、最後にエンターをッターン! とすれば後は保存して、メールに添付して送信っと。

 あ~、ようやく終わった。


「お疲れ様」

「ああ、ありがとう」


 一区切りついた瞬間にお茶がスッと差し出され、ありがたく受け取って飲む。

 うん、うまい。


「ようやく終わったんだ?」

「うん。これで、心おきなくイチャイチャできるな」

「はいはい、後でね」


 艶やかな黒髪の美女は、俺の軽口を笑って受け流す。



 世界選手権の会場でぶっちゃけてから、早十年ほど。

 あれからかるたガチ勢との絡みは一切ない。

 世界中に顔を見せて宣言したのがよかったようだ。

 なので俺は勉強に集中することができて、目標だった大学にも無事合格した。

 大学進学を期に家を出て、一人暮らしを開始。

 あのぶっちゃけの時から親父とは疎遠になった。

 何度もかるたという名前に対する不満をぶちまけて親子喧嘩をしてきたというのに、世界中にぶちまけた映像を見た親父が多大なショックを受けたらしく、俺にどう接していいか分からないようだ。

 俺が家にいるとかなりストレスになるようなので、家を出ることを提案したらあきらかに安堵していた。

 大学ではその道の第一人者である教授に師事して、俺は毎日勉強漬けの毎日を送った。

 真面目にやっていたことで教授から気に入られたらしく、いつの間にか教授の娘さんを紹介された。

 白樺咲江。俺と同い年の大和撫子然とした美女である。

 穏やかだが芯の強い女性で、父親である教授を心から尊敬している。

 そして、彼女も幼い頃に母親を病気で亡くしており、研究者の道を選んだそうだ。

 俺と、同じだった。

 俺は咲江と一緒にいることが多くなった。

 同じ研究室で同じ研究をして、言葉を多く交わして、時に協力し合い、時にいがみ合い、時に謝罪しあって──恋人になった。

 過程ははしょる。恥ずかしい。

 まぁともかく。

 教授に報告した際に無言の腹パンを食らったが、実は筋トレして細マッチョの肉体を維持していたので腹筋ガード余裕でした。

 成人し、恋人が出来た。ちょうど区切りが良いと感じていたので、俺はかねてからの予定通り、改名した。

 道明寺晴太、爆誕である。

 紆余曲折を経て、俺と咲江は共同研究をして、今、ようやくその成果を論文にまとめて教授に送ったところだ。


「ふぁ~」


 集中から解放されたからか、一気に疲れが来た。

 仮眠でもしようかな?

 でもなぁ、あんまり変な時間に寝るのもなぁ。


『さぁ今年もやってまいりました! 皆さんお待ちかねのかるた世界選手権!』


 あ?

 研究室の休憩スペースの方から聞こえてきた声に誘われて見に行けば、研究室の同僚たちがテレビを見ていた。

 映し出されているのは、かるたの世界選手権の会場。


「あ、晴太さん、今から始まりますよ」

「ああ、うん」


 一足早く座っていた咲江に手招きされて席に着く。

 研究に集中していると忘れがちだが、やっぱりこの世界はかるたに熱狂するのが普通なんだよなぁ。

 皆が集まってきてるし。研究はどうした。


『……さぁ、一時期はどん底まで落ちたが、奇跡の復活を遂げた【神童】! 今回も魅せてくれるか!? 伊王野翔真選手!』


 映し出されたのは、凛々しい青年になった翔真だ。

 あのぶっちゃけがあいつに何をもたらしたのか、俺には分からない。

 けれど、翔真はあの日から調子を崩し始めた。あれだけかるたに命を懸けていたのに、誰かと勝負しても札を取らない。ぴくりとも動かない。そして完敗するのが続いた。

 戦績が振るわなく、一時期はこのまま引退するのではないかと囁かれたが、ここ最近は調子を取り戻してきて、今では再び世界選手権にエントリーできるまでに回復した。

 その復調の理由が、テレビに映し出される。


『伊王野選手は今回、会場に奥方もいらっしゃっていますね』


 一般客席とは違う、選手の関係者用特別観覧席には和服姿の女性の姿。

 美しく成長した、幼馴染の辰巳蓮華──いや、伊王野蓮華がいた。

 あの二人、くっついたんだよなぁ。

 あれから一切関わり合いがないとはいえ、向こうは超有名人。週刊誌を見れば色々と載っていた。

 翔真の不調、蓮華との関わり、そして結婚からの復調。


「……まさに夫人、ってか」

「幼馴染みがそんなに気になりますか?」


 和服を着て、背筋をピンと伸ばして会場を、翔真を見ているであろう蓮華。

 家庭的で、いつでも元気一杯で、根っからの庶民だった彼女が堅苦しい着物姿を着こなしている姿を見て、思わず呟いたら俺の恋人がすばやく反応した。


「いや。久々に見たから感想を言っただけだ」

「そうですか」


 時々、咲江は病む。


「そういえば、晴太さんは」

「ん?」

「伊王野翔真さんとは勝負をしたことは?」

「ない。いつも逃げてた」


 咲江の質問に、俺は即答する。

 事実だし、隠すこともない。


「何故か聞いても?」

「え、だってあいつら札取ろうとするとこっちに攻撃してくるんだぜ? 嫌だよ痛いのは」


 かるたガチ勢と呼んでる原作主要メンバーや敵対する連中は、必殺技を持っている。

 札を取り合う勝負に何故「必殺」なのだろうか。

 例として、札を取るために振り上げた手から炎を出し、不死鳥を生み出して相手を攻撃して吹き飛ばして札をとったり、やっぱり水を生み出したかと思えば水龍を召喚して相手の手を噛み砕き、痛みに怯んでいる隙に札を取ったり、嵐を生んで札を頭上に巻き上げ、自分も風に乗って浮き上がってから札をキャッチしたり、相手が自分より先に札を取ろうとしたら地割れを発生させて相手を地の底に叩き落したり。

 千手観音を召喚して相手をサンドバックにしている間に札をとったり、天照大神を召喚して太陽光を直接照射して目くらまししつつ札をとったり、ゼウスを召喚して相手を感電させている間に札をとったり、ギルガメッシュを召喚して剣を投げつけて怯んでいる隙に札を取ったり。

 おいかるたしろよ。

 あいつらの言うかるたは俺の知っているかるたじゃない。エクストリームカルタ、もしくはKARUTAだ。

 嫌だよ。勝負のたびにぼこぼこにされるのは。

 ちなみに俺は必殺技は出せない。

 原作主人公の技が出るかと思ってやってみたが、ついぞ成功はしなかった。だって外側は主人公だが、俺は俺であるから。


「俺はただの一般人」

「そうですか」

「あ、そうだ。咲江」

「なんでしょう?」

「プロポーズ、いつがいい?」

「後で詳しく話し合いましょう」


 は~い。


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― 新着の感想 ―
[一言] ようは、テニヌや超次元サッカーとかの親戚みたいな世界観に転生したらの話。 現実的に考えてはあまり関わりたくないよね。 この手の世界なら傍観者の立場が1番かと思います。
[気になる点] >かるたガチ勢と呼んでる原作主要メンバーや敵対する連中は、必殺技を持っている。 大会主催者とかのモブ勢は使えないんだから、 ふつーにルールで禁止されない? 「でも使ってくるんだよ」…
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