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ソシャゲと英語の出会い~これだけは組み合わせちゃいけなかった~

 ここは市立(やしろ)高校。


 3年S組の担任である坂本(さかもと)金枠(きんわく)は職員室で悩んでいた。その手に持っているのは、定期テストの答案用紙。クラス40人分、全て採点済みである。


「はぁ、また酷い点数だなぁ~! どいつもこいつも~!」


 彼の担当教科は――『英語』!


 みんな大っ嫌いな英語!!


 授業を受けている生徒たちはみんなこう言う。


『どうして日本人の俺らが英語なんか勉強しなきゃなんないんすかぁ~?』


 確かに。一理ある。金枠もその意見には全面的に同意である。


 だが、必要なのだ。社会に出ていく上で、絶対に必要なのだ。


 受験に使ったり、就職に使ったり、なんかカッコイイから英検一級を取ったり。


「どうすれば、生徒のみんなが英語を好きになってくれるんでしょうねぇ~?」


 そんなことをぼやきながら。金枠はスマートフォンを取り出した。もちろん、スタミナを消化するためである。


「おやおや、金枠先生。まーた、ソシャゲですか?」


 話し掛けてきたのは、3年A組の担任である(いぬい)友達(ふれんど)先生。担当の教科は国語。


「あっ、これは乾先生。そうなんですよ~。最近ハマっていまして。どうです? 乾先生も始めます?」


「いえ、結構です。しかし、ソシャゲというのも困りものですね」


「破産するからですか?」


「ちょっと話が飛躍しすぎですね。違いますよ。生徒の間でも流行っていまして。休み時間はみーんなスマホに夢中。最近の若い子はソシャゲが好きなんですね」


「 そ れ だ ! ! 」


 金枠は閃いた!


 みんな嫌いな英語の授業に、みんな大好きなソシャゲをくっつけたら、興味を持ってくれるのでは!?


「乾先生! 素晴らしいアイディアです!」


「はい?」


「ソシャゲで英語の授業をやっちゃえばいいんですよ!!」


「ちょっと何を言っているのか分かりませんね」


「やりますよぉ! 私はやりますよぉ~!」


 こうして、金枠のソシャゲで楽しく学ぶ英語の授業が幕を開けるのだった。

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一般文芸デビューしました。(2020.09.01)

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