ダンジョン突入
「なんじゃ小僧また来たのか。むっ、その槍は……」
「1日入場券と地図をくれ。」
「お得な月間パスと年間パスがオススメじゃんぞ。」
「うるせぇ、さっさと寄越せ。」
「ほうほい、入場券2000カネーと地図2000カネーで4000カネーじゃ」
効果時間を伸ばすためにオナホはまだ使っていない。
ギルドのトイレに入ってエイティーンを使う、ふぅ。
バックパックに入れていた防具を着こみスピードポーションとスタミナポーションを飲む。
これで素早さ+20体力+20の効果が発揮されているはずだ。
ギルドの裏口から外にでる。
ギルドの裏手の左右は金網で塞がれており、外からの不法侵入を防いでいる。
正面には崖がそびえ立ちその中央には縦横幅2mほどの穴がぽっかりと開いている。
穴の側には老人が椅子に座って控えていた。
「見ない顔だな、入場券を。」
見張りの老人に入場券を提示する。
「気ぃつけてな。」
「ああ。」
そうして俺は洞穴からダンジョンへと続く地下への階段を下った。
階段の終着点には白いモヤの様なものが漂っていた。
そこに飛び込んで抜けた先には青空と草原が広がっていた。
その先にはなだらかな丘がいくつも連なっている。
後ろを振り返れば天にまで届く真っ白な霞の壁面。
そこに地上へと繋がる真っ暗な穴がぽっかりと開いている。
見渡す限りの壁。なんとも不思議な光景を暫く唖然と見上げていた。
さて、いつまでも呆けている場合じゃない。
見渡したところ付近にモンスターは居ない。
ダンジョンのモンスターはこの白い壁には近づかないらしい。
安全な今のうちにどれぐらい動けるのか少し準備運動してみよう。
反復横跳びをしてみる。うん、心なしか身のこなしが普段とは違うような気がする。
防具を着込んでいるのに違和感が無いというだけでも十分素早さがアップしている
という証だろう。
左側に見える丘を駆け足で目指す。
防具を着ているのに身体が軽い。道場に通っていた時は防具を着て
これだけ動けばしんどかった。確実に体力アップの効果がある。
このまま目指す狩場までは駆け足で行こう時間は有限だ。
バフの効果が切れるまでに目標数のモンスターを狩り帰らねばならない。
丘陵地の向こう側には大きく分けて3つのエリアがある。
中央にある丘に囲まれた盆地。右側にある森林地帯。そして左側にある河川地帯だ。
中央の盆地では繁殖期にモンスターが湧くらしい。ベテラン(自称)連中は
その時期に盆地を望む丘に陣取り際限なく湧くモンスターを狩るんだと。
それ以外の時期は一番モンスターが少なく見晴らしも良いので
初めてラビットハウスに挑む冒険者にはここがオススメらしい。
右の森林地帯はモンスターの数はそこそこで奇襲もし易いので
このダンジョンで一番人気の狩場だ。反面奇襲を受けやすくもあるので
ここを避ける初心者もいる。
そして俺が向かっている河川エリアは見晴らしがよく奇襲は受けにくいが
水を求めてモンスターが集まっているので一番危険であるらしい。
俺はあえてここに挑む。
ポーションを2本使った以上、半端な稼ぎでは大赤字だ。並の冒険者共が
目標にしている20匹程度ではポーション代に届かない。
理想としては70匹以上は狩りたい。その為には河川エリア一択だった。
ふたつめの丘の頂上に辿り着いた。
そこでモンスターを発見した。丘の下に1匹、こいつが兎野郎か。
体長は130cmほどの小柄で二足歩行。頭部は動物の兎そのままで
首から下は……全裸のおっさんだ。
中年太りで腹の出ただらしない身体をしたおっさんそのままだ。
資料で姿絵を見てはいたが実物はそれ以上に気持ち悪いな。
頭部以外は人間そっくりなだけに殺すのを躊躇ってしまう。
しかも安い魔石しか採集できないというハズレ中のハズレモンスター。
そんな兎野郎しか出ないラビットハウスの管理に名乗りを上げる業社は皆無
なので余り物なダンジョンを冒険者ギルドが管理してる。
パッと見が人間でもこいつらは純然たるモンスター。
ぶっ殺しても気に病む事はない。人間ぽいと言ってもどうせ
全裸の変態っぽいおっさんだしな。
あ、ぶっ殺しても全然罪悪感とか無さそうだわこれ。
やつもこっちに気づいているようだな。サクッと狩ってやる。
俺は槍を正面に構えて丘を駆け下りる。奴も何やら奇声をあげながら
こちらへドタドタと向かってくる。
あんまり早くねぇな。見た目通りに中年太りのおっさんが
ひーこらひーこら必死に走ってるって感じだ。これなら余裕だろ。
「くらえっ!アレキサンダー流槍術鍛錬型その一!!」
まぁ道場で習ったただの素振りのひとつだ。
槍の穂先が兎野郎の胸元に突き刺さる。そして素早く引き抜く。
兎野郎はうつ伏せに倒れたが油断はしない。続けて背中に何度も何度も
槍を突き立てて確実にとどめを刺す。
ふぅ、やっぱ大したこと無かったな。雑魚だったわ。
この程度なら幾らでも狩れる。無能でクズな冒険者共に出来るだから
まぁこんなもんだよな。遭遇頻度さえ上手くいけば70匹狩るのも可能だろう。
さて採集だ。うつ伏せの兎野郎を足で蹴りあげて仰向けにする。
右手で腰からナイフを引き抜き左手でチンポを摘んで……触りたくないなぁ。
まぁやるしかないが。と覚悟を決めてチンポに触れると切り取る
間もなくチンポが消失した。
そうかチンポイント変換が発動したんだな。手間が少し省けた。
後は魔石だ、ナイフで眼球をほじくり出す。
開いた穴に手を突っ込んで眉間の側を探るとコリっとした物に触れた。
それを摘んで引きずり出す。これが魔石だ、血を拭って革袋に閉まった。
そういえばBBQN共が食ってた謎の頭ってもしかしてこれなのか?
これを食ったのか……マジでヤベェなあいつら。