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冒険者ギルド3

 という事で翌日の早朝、冒険者ギルドにやって来た。


 「はぁ?チンポを取って来い?なにそれキモっ」


 「たったの100カネーかよ、面倒くせぇからやだよ。」


 「100カネーでも20本集めて貰えれば2000カネーになるんですよ。大したお手間は取らせません。魔石のついでに採集して貰えればそれだけで入場代を相殺出来るので結果」


 「ごちゃごちゃうるせぇ。もうダンジョン行くから邪魔すんな。」



 昨日と比べれば話を聞いてくれる奴もチラホラと居たが反応はすこぶる悪い。

利益を説いてもあいつらアホだから理解しない。くそがっ。


 「君、ちょっといいかな?僕にも詳しく聞かせてほしい。」


 向こうから話し掛けてきてくれたのは駆け出し冒険者のサーギシュ。

奇人変人変態暴漢貧困丸出しな風体をした他の冒険者共とは違い小奇麗な装いのまともそうな

青年だった。俺の話をちゃんと聞いて理解を示してくれた。


 「ついでの採集でおおよそ2000カネーの収支アップか、悪くないね。」


 「そうなんです、誰も解ってくれなくて。」


 「兎野郎はオスしか居ないからとりっぱぐれも無いし、僕でも日に20~25匹ぐらいは狩れるだ。引き受けてもいいかな。」


 「よかった、お願いします!」


 「ただし、取引には条件がある。」


 「条件、ですか?」


 「ああ、はっきり言わせて貰うけど取引相手として君には信用が足りない。」


 「信用、ですか。」


 「初対面だからね。イング君の素性を知らないし君の人間性だって分からない。」


 「それは……まぁ。」


 「折角採集してきても、実はいたずら目的の狂言で君が居なくなっていたらこちらは骨折り損のくたびれ儲けでギルド内の笑い者だ。」


 「そんな、違います!」


 「ああ、分かってる。本気で疑ってる訳じゃないんだよ。でも確証が欲しいな。」


 「ええ、でもどうすれば……」


 「簡単だよ。報酬を先払いしてくれればいいんだ。」


 「先払いですか?うーん。」

 

 「僕に持ち逃げされるのではないか。と思ったかい?」


 「ええ、まぁ。」


 「お互い信用が無いのは当然さ。だが、初めての取引だ。最初のリスクは持ちかけた君に負って欲しい。」


 「そう、ですねぇ……」


 「ふふふ、慎重だね。それぐらいのほうが取引相手として好ましい。だが、実際はそれほど心配はいらないよ。」


 「どういうことですか?」


 「僕がダンジョンに入るのを見届けてここで帰りを待っていればいいのさ。」


 「なるほど?」


 「ほら、あそこにある裏口の向こうはフェンスで囲われていてダンジョンの穴の前には見張りのおじいさんも居るんだ。無賃入場を防止する為にね。」


「ふむふむ。」


 「外からは出入りできないので必ずこのギルド内を通るんだよ。だから君はここで待っていれば必ず僕に会えるのさ。逃げられる心配は無用だ。」


 「よし、わっかりましたー。では20本分2000マネーをお先に。」


 「待て。ここで財布を出すのは不味い。荒くれ者のたまり場だからね。現金を見れば魔が差す連中も居るんだ気をつけて。」


 「あ、はいすみません。」


 「ちょっと外に出ようか。」



 外に出て、人目につかない場所でサーギシュに2000カネーを渡した。

もし20本以上のチンポがとれたら別途に金を払い。20本以下であればその分返金してもらう約束だ。


 俺は裏口の先まで付いて行き、ダンジョンの洞穴にサーギシュが飲み込まれて征くのを見届けてからギルド内のカウンターでカプチーノを飲みつつ彼の帰りを待った。




 「サーギシュさん、お疲れ様です。どうでしたか?」


 「ん?君は朝ギルドでうろついてた人かな。今日の稼ぎはまぁまぁだね。じゃ。」


 「ちょ、待ってくださいよサーギシュさん。冗談キツいっすよ。チンポはどうでした?」


 「チンポ?何を言ってるんだ君は。頭がおかしいのか?どいてくれ。」


 「おい、待てよ。巫山戯んなチンポ出しやがれ!」


 「離せ!キチガイめ。何がチンポだ。」


 「てめぇ、しらばっくれるつもりかよ。じゃあ金を返せ!」


 「金?何のことだい。離しなさい。」


 「てめぇに先払いした2000カネーだよ。返せ!」


 「言いがかりはやめてもらおうか。君からお金を貰った覚えはないね。」


 「はぁ?巫山戯んな詐欺じゃねーか!」


 「本当だというのなら証拠を警官に提出して被害届を出せばいいじゃないか。証拠があるならね。」


 「なんだと!?」


 「もういいだろう?いい加減離してくれっ!」


 俺はサーギシュに片手で軽く振り払われて、後ろに倒れこんで尻を打ち付けてしまった。


 「痛っ!くそっこの野郎!」


 「おっと、それ以上は容赦しないよ。冒険者を舐めないことだ。」


 サーギシュは腰に吊るした剣に手を添えて睨みつけ脅しをかけてきた。


 「なっ!?」


 「フンッ、失礼する。」


 俺が一瞬ビビって固まった隙をついて奴はギルドから出ていった。


 「くそっ、くそっ、くそっ。なんてやつだ。くそっ。許さねぇぞ。畜生!」


 「はっはっはっ、小僧。まんまとやられたようじゃったのぅ?」


 「カウンタージジイ……。そうだ、ギルドでなんとかしてくれ。俺あいつに騙されたんだよ。」


 「詐欺師のサーギシュじゃな。小銭をだまし取るセコい詐欺師じゃからな、そりゃ騙すだろうよ。」


 「は?詐欺師?分かってるんだったら捕まえてくれよ。」


 「嫌じゃよ。なんでわしが。」


 「なんでって冒険者の不祥事なんだから冒険者ギルドで責任取ってくれよ!」


 「いや知らんよ。冒険者は冒険者ギルドにとってはただの客じゃからのう。」


 「そんな無責任な。」


 「だって責任ないもーん。あやつが言うておったように警察の仕事じゃろ。」


 「くそっ。もういい!」


 

 冒険者も冒険者ギルドも糞だ。ちくしょう、なんだってんだよくそっ。

俺は怒り心頭のままアパートに帰って怒りのままにシコって寝た。



 



食費2日の4食分マイナス2200マネー ココア代マイナス500マネー カプチーノ代3杯1500マネー


銘酒冒険者の宴4杯マイナス400マネー 詐欺られたマイナス2000マネー


残金26万1180マネー 残チンポイント3

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