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冒険者ギルド

 さて、翌朝です。


 昨夜のDQN襲来で俺は思い付いてしまった。ハンターへの依頼が無理なら

冒険者を使えばいいじゃない、と。


 あいつらもダンジョンに潜ってモンスターを狩って日銭を稼いでるんだ。


 最底辺で貧困層でアホな冒険者連中なら安価で雇えるはずだ。


 詳しくは知らないけど、45区にも冒険者ギルドが管理している冒険者向けの

ダンジョンがあったはずだ。冒険者ギルドにもうちのポーションを卸していた。

あいつらは値切りがしつこいと親父が愚痴ってたな。そこに行ってみよう。



 アパートを出る。


 もう日が昇って大分経つが遅めの朝食を近所の屋台で買った。

屋台のおっさんに聞いてみたらどうやら冒険者ギルドは徒歩圏内にあるらしい。


 アパートから田園地帯がある山の方に向かって歩いて30分。


 田園地帯を抜けた先の突き当たり、岩肌を晒している切り立った崖の麓。

そこには崖を背にしてフェンスに囲まれたボロい建物が1軒ポツンと建っている。


 その他には、崖沿いにゴザを敷いただけのみすぼらしい露天商がちらほらと居るだけで

その建物以外には何もない。その建物の看板には薄ぼやけた字でこう書かれていた。


 冒険者ギルド『ラビットハウス』管理支部




上下が空いていて両開きの、なんの為にあるのか謎すぎる扉を押して中に入る。

勇者様達の世界にあるというウエスタン地方を描いた漫画に出てくる酒場のアレだ。


 入って右側にはカウンターがあり、老人がグラスを磨いていた。

老人の後ろの棚には酒瓶やグラスが並んでいる。


  建物の左側には少し背の高い丸テーブルが4つ並ぶ。

入り口同様、中の様子も場末の立ち飲み酒場といった体だ。


 ただし、普通の酒場とは多少の差異があった。


 カウンターの奥には安っぽいデスクがあり、そこでは若い男が書類仕事らしきことをしている点と。

左側の丸テーブルの奥には提示物や展示物、小さい本棚がおかれている点だ。


 ここが冒険者ギルドか、とりあえず老人に話しかけてみる。



 「あの~すみません。ここは冒険者ギルドですか?」


 「お?おおっ、ジャック坊やではないか。久しぶりじゃのうぉ」


 「へ?いいえ違いますけど……」


 「んんん~?おっ、すまんすまん。おぬしはビリーじゃったな。」


 「ビリーでもないですけど……」



 丸テーブルに屯していた男のひとりが声をあげる。


 「おい爺さん、ジャックもビリーも先月死んだだろ。そいつは新顔だ。」


 「むっ。なんじゃおまえ新顔か。それならそう言えばいいじゃろう。まったく……」


 

なんだこのジジイムカつくな。勝手に間違えたくせに。しかもボケてるのか?



 「1日フリーパスが2000カネー。月間パスが5万カネー。年間パスは50万カネーじゃ。」


 「はい?」


 「ダンジョンの入場料じゃ。」


 「あ、いえ。違います。」


 「なんじゃ酒が欲しいのか。銘酒冒険者の宴なら一杯100カネー、ボトルなら800カネーじゃ。」


 「お酒でもないです。冒険者に依頼を出したいんですけど。」


 「依頼?どういう意味じゃ?」


 「冒険者にモンスターの採集依頼を出したいんですよ。ギルドで相談に乗って欲しいんです。」

 

 「う~む、おぬしが何を言っているのがさっぱり分からん。わしは入場券と酒を売ってるだけのアルバイトじゃ。」


 「おーいギルマス。ちょっとこの小僧の相手をしてやってくれ~。」


 ジジイが奥に声を掛けると書類仕事をしていた男がこちらにやって来た。


 「はいはい、どうしました?」


 「あのですね、こちらのギルドにモンスターの採集依頼を出したいんです。」


 「採集依頼ですか?それはもしかしてダンジョン管理業社に依頼するような?」


 「そうです。冒険者にモンスター素材を取ってきて欲しいんです。」


 「あー、そういう業務はうちではやってないですねぇ無理です。」


 「そうですか……。じゃあ、あの、せめて冒険者を紹介して貰えませんか?」


 「う~ん、面倒なのでそういうのもちょと。その辺に居る冒険者と勝手に交渉してください。」



 てな感じで素気無く断られてしまった。

しょうがない、自分で交渉してみるか。取り敢えず丸テーブルでだべってる

四人組の連中に声を掛けてみる。



 「あのーすみません冒険者の方々ですよね?」


 「おう、坊主。話は聞いていたが何か頼みたいんだって?」


 「聞くだけ聞いてやってもいいけどよぉ、まずはコレだよなぁ?」


 ひとりの男がからの手をクイッとグラスを傾けるような仕草を見せる。

話を聞いて欲しけりゃ一杯奢れって事か。さっきジジイが言ってた安酒を4つ注文して奢ってやる。


 「おう、分かってるじゃねーか坊主。そんでどうした?」


 「実はですね……」




 「ほーう、それでモンスターのチンポを取ってきて欲しいってわけか。」


 「そうなんです。」


 「で、チンポの買い取りに幾ら出せるんだ?」


 ダンジョン業社では無理をして一本1000カネーとは言ったが。

それでも厳しい気がする。その買取額ではポーションの売値よりも高い設定でオナホを売らなきゃ

利益が出せない。それでオナホが売れるだろうか?


 相手は食うにも困ってる冒険者だ。足元を見てやっても食いつくはずだ。


 

 「そうですねぇ、1本100カネーで買い取りましょう。」


 



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