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現実ニートは異世界勇者  作者: しろ
4/4

ニートの感謝

よし決まった。

俺の人生最大の望みをぶちまけてやった。

これで俺はエルフと結婚出来るのだ。


「はーはっはっはっ!シンジよ。お前はエルフと結婚したいと?それが望みか!面白いやつよの!いいだろう。その手助けはしてやる。勇者となって魔王を討ち果たせば幾人もお前を求めてやってくるだろう。そのために俺の力を分け与えてやろう。」


へっ?

一番望んでないパターンなんですけど。

いやいや、さっきなんでもって言ったじゃん。

話が違うでしょうよ。


「俺はお前を気に入ったぞ!シンジよ!転移者や転生者はこの世界の神に力を分け与えられている。だが、このゼウスの力を分け与えられた人間はシンジしかいない。存分に奮ってくれ!」


「あの…そうじゃなくて…」


そう言いかけたが、顔を見て悟った。

こうなったおっさんは止められない。

まぁ自分でも努力しろということか。


「では、始めるぞ。ふんっ!」


そう言って思いっきり右ストレートをもらった。

そこで意識が無くなった。



「おい!いつまで寝てんだ!開店の時間だぞ!」


ビルに叩き起こされ開店の準備をする。

どうやら夢だったようだ。

しかし、左頬が痛む。


ビルはこの町で武器屋をやっている。

まずは店頭に置いてある剣を磨く仕事をやらされた。

その中で一際輝く剣を見つけた。

黄金に輝くその剣は見るものを魅了し虜にした。

俺も例外ではない。


「いいだろ?その剣。隣町に行った時に薄汚いまま安売りしてたから買ってきて磨いたのよ。そしたらこんな輝く黄金の剣だったのさ。」


そう言って俺に持ってみろと差し出してきた。

もちろん剣など握ったことはない。

だがその剣から目が離せなくなり、手は勝手に伸びていた。


その剣の柄を握ると不自然なほどしっくり馴染んだ。

すると次の瞬間…


「バチバチッ、バチッ、バチバチバチ!」


と、物凄い音を立て刀身から雷のような光が現れた。

それを見たビルは慌てて


「その剣を離せ!家がもたねぇ!」


俺は慌てて剣を離す。

なにが起きたか自分でも理解できないが、夢の中でゼウスとかいう神が力を分けると言っていたのを思い出した。

そこでビルにゼウスについて聞いた。


「ゼウスか。この世界の絶対神であり最強の神だ。この世界の人間で姿を見たものはいないと言われている。そんなゼウスにお前は会ったのか?そして力をもらったと?」


俺は大きく頷いた。

ビルはなにかをブツブツ言いながら店の奥に何かを取りに行った。

そして一冊の本を抱えて戻ってきた。

その本をおもむろに開き…


「ここを見てみろ。ゼウスはケラウノスという武器を使用していたらしい。その武器は雷を纏い一振りで世界を消せる。シンジが持った瞬間その剣から雷が出てきたな?そう思うとゼウスの力、というのが自然になってくるな。」


自然もクソもない。

こちとらついこの間までニートだぞ。

コンビニの廃棄処分をさらに処分してた人間が剣から雷を出す?

自然なわけがない。


「なぁビル。この力はどう使うべきなのか教えてくれないか?」


「最終的にはお前さんが決めることだが力の制御に関しては知識があってもいいと思うがな。」


確かにそうだ。

こんな力暴走して犯罪者にされてしまったのでは困る。

今日から少し特訓してみよう。


「で、この剣は俺にくれないか?」


「バカ言え!それ相応の働きをしてから言いやがれ!まぁ貸すぐらいならしてやらんことはないがな。」


「本当に助かる!何から何までありがとう!ビル!」


ビルは照れたように笑っている。

よく考えたら本気で人にお礼を言うなんていつぶりだろう。

ニートしてたらこんなことなかったんだろうな。

ちょっとニートは休憩だな。

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