159 バカンス②
そして、祭りが始まった。
僕はお祭り好きである。ルークとリィズも楽しいことが大好きだ。シトリーもそういうのは嫌いではないし、アンセムはいい兄で妹達の事を優先するから、僕たちは昔から騒ぐ事に慣れていた。
そして、ルシアに叱られるのである。
昔はちょっとした催事だったのだが、使えるお金と力が増えた結果今では相応の大規模な物に変わっていた。トレジャーハンターは刹那的な楽しみを求める者が多いが、うちのパーティほど大規模に事を起こす者は見たことがない。
唯一存在した入り口は土の壁で閉ざされ、広々とした空間には濃い蒸気が立ち込めていた。近くのテーブルに載せられた大量の料理とお酒、温泉の匂いが混じり合い、混沌とした空間を形作っている。
下は土だがまるで陶器のようにぴかぴかに固められていて、水も染み込まないし、足の裏が汚れたりもしない。
「うおおおおお温泉だああああああああああああッ!! クライ、俺にもドラゴン一匹ッ!」
ルークがご近所に迷惑がかかりそうな大きな声で咆哮をあげ、温泉に盛大に飛び込む。大きな飛沫が上がり料理の方に掛かりそうになるが、見えない壁に弾かれた。ルシアのナイスアシストである。
それを見て、リィズが唇を尖らせ、躊躇うことなく帯を解き、するりと浴衣を落とす。よく日に焼けた肌が焚かれた明かりの中、艶かしく輝いている。
……どうやら下着を着用してなかったようだ。あまりに視線を気にしない堂々とした脱ぎっぷりである。ガレスト山脈では恥ずかしがっていたが、今は恥ずかしくないらしい。
宝具は解除され、いつも隠されている脚はスラリと伸びていて、少しだけ色っぽい。足首に掛かっている待機形態の天に至る起源がいい感じにアクセントになっている。
「ずるいッ! 私が最初に入るつもりだったのにぃッ!」
「おね、お姉さまッ!? そんな……ま、ますたぁの前で、はは、はしたないッ!」
逆にティノの方が顔を真っ赤にしてリィズに食って掛かる。健気な弟子に、リィズは眉を釣り上げて怒鳴りつけた。
「うっさい、ティー! 今更、見られて困るもんなんてないしッ! 肌を見られて困るような仲じゃないしッ! 温泉入りたくないならあんたは好きにすれば!?」
「そんな――」
「リィズ」
「!! ますたぁッ!」
ティノが天の助けが来たかのようにぱぁっと笑顔になる。
僕は不思議そうな表情でルークに負けず劣らず何も隠していないリィズに、柔らかいスポンジをぶつけて言った。
「身体洗ってから入らないと駄目」
「はーい! さすがクライちゃん、話わかるぅ!」
「ますたぁ!?」
目を輝かせるリィズに、ティノが悲鳴のような声をあげる。だが、リィズの言う通り、残念ながら今更なのである。
僕とリィズの関係は長いし、何よりリィズは恥ずかしがり屋ではない。
今回はやらなかったが、実は彼女は混浴とか関係なしに、平然と男湯に突入してくる系女子なのだ。もちろん突入したくない時は突入してこないが、したい時には躊躇ったりはしない。そして、他の邪魔な客をその自慢の素早さでなぎ倒し風呂の外に放り出すのである。
いつもそれなりに露出の多い格好をしているし、一緒に温泉に入るのも初めてではないし、まぁ簡単に言うと彼女の全裸には……少しは慣れている。くっつかれなければ大丈夫。
そして、彼女は裸だからといってスキンシップを躊躇うような性格ではないが、ルシアがいる時はルシアが魔法で撃退してくれるので全く問題ないのであった。視覚的なフィルターまで掛けてくれる。
ルシアも深々とため息をつくがそれ以上何かしたりはしない。ティノはカルチャーギャップを感じてショックを受けているようだが、温泉の用意をした時点で既に織り込み済みだった。
「今日は……無礼講だ。気にせず食べて飲もう」
「ティー、当たり前ですが…………脱がなくてもいいので」
「タオル巻いてもいいし、水着着てもいいよ。服のままでもいいよ」
水着も着ないしタオルを巻いてもいない上に人目を憚らないのが約二匹いるが、気にする必要はまったくない。彼らは野生の獣のようなものだ。ティノが気にする必要はまったくない。
「見ろ! クライ! 大渦の中でも平気だッ! 修行の成果だ! 足腰の鍛錬になるッ!」
ルークが大渦の中で立ち泳ぎしながら自信満々に叫ぶ。
僕はそれを見てなんか楽しくなって、何もかもどうでもよくなって、蒸気で暑くなってきたので服のボタンを外した。
とりあえず上半身だけ脱ぐ。順番に宝具の指輪を外していき、結界指一個だけ残す。仲間がいるといつも眠っている時にまでつけている宝具もほとんど外せるのでいい。
「ま、ますたぁ!? ますたぁも……その、脱ぐのですか?」
何をいまさら……僕なんて一番どうでもいいよ。誰もちょっと服脱いだくらいで気にしないだろ。
大体、ティノだって壁ぶっ壊して男湯入ってきたじゃん……蒸し返したりしないけど。
浴衣を着たままのルシアがぱちりと指を鳴らすと、グラスが勝手にお酒をついで手元に持ってきてくれる。度数の低い、僕でも飲める甘いお酒だ。
ありがたく頂戴し、目を細めてグラスを掲げる。
「アルコール飲んだ後にすぐに風呂入るのは身体に良くないんだよ」
「…………なんで用意させたんですか」
用意させたんじゃない。リィズ達が勝手に持ってきたのだ。僕たち、《嘆きの亡霊》はそんな適当な感じで出来ている。
まぁいい、今日は無礼講だ。余計な事は言うまい。
僕はグラスに口をつけ、ルシアが冷やしてくれたお酒を一息に飲み込んだ。
ティノがごくりと唾を飲み込み、意を決したように言う。
「ま、ますたぁ…………私……き、着替えてきます」
「……うんうん、そうだね」
ティノが小走りで積み上げられていたタオルを取り、靴を脱いで座敷に上がる。僕は目を細め、穏やかな気分ではしゃぐ幼馴染達を見ていた。
§
「るーしーあー、激流! 激流がないぞ! これじゃ修行ができないッ!」
「るしあちゃーん、サウナ! サウナだーしーてー!」
「うるさいッ! あー、もう、うるさいッ! 私がいくつ並列で魔法を使ってるのかも知らないで……」
巨大な酒樽の一個が浮き上がり、騒ぐルークとリィズの真上で弾け飛ぶ。黄金エールが激しく二人にかかり、辺りにこれまで以上の強い酒精が広がる。それでも料理や温泉の中に混入しないのがさすがだ。
リィズがぐっしょり酒に濡れた髪を搔き上げ、悲鳴をあげた。
「なにするの、ひどいッ!」
「これは……酔剣か? 酔剣の修行だな?」
肌が酒に濡れ光っていた。酒を被っても平然としているお兄さまとお姉さまに、浴衣を脱ぎ身体にタオルを巻いたティノが恐れおののくように言う。
「ますたぁ……これはもしや、酒池肉林という奴では?」
どういう意味で使っているのだろうか。
「まぁ、料理でも食べれば?」
「この格好じゃ、落ち着きません、ますたぁ」
ティノが自分の格好を見下ろし、ぶるりと肩を震わせた。ティノは長いタオルで全身を隠していた。しっかり巻き付け、落ちないように固定している。いつも肩の出ている格好をしているので露出度的にはあまり変わらないが、その白い肌は蒸気のせいか赤く染まっている。随分肩身が狭そうだ。
「お疲れ様です、お兄ちゃん。例のあれ、持ち帰ってくれた?」
「…………うむ。帝都に置いてきた」
少し離れた場所では、ティノのようにタオルを巻いたシトリーが、石鹸をつけたモップで腰を下ろしたアンセムの背中を洗っていた。まるで広い壁を掃除しているかのような有様だが、背中を流すというやつである。
シトリーもにこにこしてて随分楽しそうだ。兄思いなのである。背中が大きすぎるので踏み台まで使ってくまなく擦ってあげている。
アンセムの背は岩のように巨大で、筋肉が隆起していた。表面に残る無数の古傷は、常に先頭に立ち無数の攻撃を一身に受けた証だった。
アンセムはパーティの守りの要であり、同時に《嘆きの亡霊》の回復役でもある。彼の回復魔法は国のお偉いさんが依頼に来るほど強力だが、回復魔法というのは唯一術者本人にだけは効きが悪い性質があったりするのだ。
痛んだりはしないようだが、その背中を見ていると、彼らのおかげで傷一つついたことがない僕としては思うところくらいある。
腰を上げ、浮き輪を持ってアンセムの近くに行く。
「アンセム、お疲れ様。久しぶりに、僕も背中を流してあげるよ」
「うむ」
「いいんですか? あ、じゃあ私は、代わりにクライさんの背中を流してあげます! いいよね、お兄ちゃん?」
「……うむ」
何が代わりなのだろうか。わからないが、シトリーからモップを借りて、アンセムの背中をごしごし擦る。
僕は探索についてはからっきし役に立たないが、壁掃除のスキルは人並程度にはあると自負している。発達し隆起した背中はとても洗いづらかったが、本腰を入れて擦っていく。重労働だが、疲れたら温泉に入ればいいのだ。
いつもは働いていないので、こういうのは少しだけ楽しかったりもする。
モップを動かしていると、カルガモのようについてきたティノが、おずおずと僕に言う。
「ますたぁ……その……私にも、やらせてください。アンセムお兄さま、いいですか?」
「……うむ」
もう随分付き合いが長いが、相変わらず寡黙な男だ。しかし、その声は沢山の仲間に慕われどこか嬉しそうだった。
ティノにバトンタッチしたところで、こちらに気づいたルークとリィズが目を見開き並んで駆けよってきて、モップの取り合いが始まる。
「あぁ、ずるいぞッ! 修行か? 修行だな!? 俺にもやらせろッ!」
「はぁ? 次はティーの番だから、つまり私の番だからッ! ルークちゃんはお酒飲んでればいいでしょう!? ほら、あげるッ! これも、修行だからッ!」
リィズが飲みかけのジョッキをルークに押し付けようとして、ルークに鬱陶しげに怒鳴られる。
「あぁ!? 酒飲む修行なんてあるわけねーだろッ! 俺を、馬鹿にしてんのかッ!」
「はぁ!? クライちゃんの言葉は聞けて、私の言葉は聞けないっていうのッ?!」
「それはだな、リィズッ! お前の言葉には――信念がないッ!」
僕の言葉にもないよ……多分信念の含有量で言うならリィズの言葉より下だと思うよ。
いつもの光景であった。喧嘩するほど仲がいいのだ。
じっとしているアンセムの後ろで目を剥き罵り合う二人。
それを他所に、シトリーがにこにこと言う。だが、いつもより少しだけテンションが高いようだ。
「クライさん、放っておきましょう。それより……背中、流してあげます。一度も流せてないので」
「!! シトリーお姉さま、近すぎで――」
そして、僕の背中に胸を押し付けようとした所で、その身体が飛んだ。
錐揉みしながら温泉に頭からつっこみ、激しい飛沫をあげる。
いきなり吹っ飛んだお姉さまに、注意の声を上げかけていたティノが唖然としている。ジョッキを片手にしたルシアが据わった目で言った。
「シトリー、アウト。まったく、油断するとすぐこれだから」
「ルシアお姉さま……今…………攻撃魔法」
「貴方達のおかげで、私の魔法の実力は上がりっぱなしですッ! 私が、周りにどうやって魔法を鍛えるのか聞かれて、どれだけ困ってるかわかりますかッ!?」
ちなみに、ルシアは僕よりは強いが、お酒に少しだけ弱いので、リィズ達と同じだけのアルコールを摂取すると酔っ払ってすぐに前後不覚になる。どうやら魔力回復薬を飲んでいると特に悪酔いするようだ。
そしてしかし、我が妹は酔っ払っても普通に魔法を使えるのである。凄い。強い。
むしゃむしゃ骨付き肉を口いっぱいに頬張りながら目を光らせているルシアに、ティノが怯えている。
「ますたぁ! ますたぁ! 今の、私が受けたら……死んじゃいます」
「あははは、大丈夫だよ、手加減してるから」
それに迂闊な事しなかったら撃たれないって。僕は気をつけているので、今まで撃たれた事がない。
温泉に突っ込んだシトリーが震えながら湯船に手をつけ、身体を起こす。タオルがどこかに吹っ飛んでいて、仄かに染まった肌が大きく露わになっている。
「ッ……もうッ! こんなに頑張ったのにッ! ご褒美の一つもないなんて――大体、なんでクライさんの背中流すのに、ルシアちゃんの許可が必要なの!?」
文句を言うシトリーの前に、ルシアが腕を組み、立ちはだかった。だいぶボルテージが上がっている。
「そんなにくっつきたいなら、タオルにでもなってみますか? 戻れるかわかりませんけど」
「ッ!?」
「ええい! 『シトリー、タオルになれ』ッ!」
「きゃーッ!!」
「タオルになれッ! タオルになれッ! ああ、もう、そんな魔法、なーいッ!」
シトリーが血相を変えて温泉を泳いで逃げ出す。ルシアが食べきった骨を消し炭にして、浴衣を脱ぎ捨てて温泉に飛び込む。滝を出していた雲が雷を落としている。
お姉さま達の狂乱に、ティノがひたすら目を白黒させていた。
「シ……シトリーお姉さまの悲鳴なんて、初めて聞きました。それに、ルシアお姉さまも……」
ルシアとシトリーちゃん、凄く仲がいいからな。
「アンセム、もういいの?」
「……うむ」
何事にも動じないアンセムが身体を流し、モップをまだ取り合っているルークとリィズを無視して、温泉にゆっくりと身を沈める。巨大な浴槽から溢れたお湯が足元を通り過ぎる。
僕は浮き輪をしっかり持つと、その後に続き温泉に飛び込んだ。
§
浮き輪を使いぷかぷかと浮かぶ。ティノが浮き輪に紐をくくりつけ、その先端を座敷の柱に縛り付けてくれる。意味があるかどうかは知らない。
空に浮かぶ月を見上げ、仲間たちの賑わいに耳を傾かせながら揺蕩うのはとてもいい気分だった。
リラックスしている僕の隣で、ティノがじっと口元までお湯に沈めながら呟く。
「私……こんなに賑やかなの、初めてです」
ルークとリィズが温泉で泳ぐ競走をしている。シトリーとルシアは温泉に浸かりながら、飲み比べをしているようだ。
アンセムは目を閉じ、一番深い場所でじっとお湯に浸かっている。何を考えているかはわからないが、満足そうだ。
バカンスとは言っても、いろいろな事はあった。
散々な目にあったが、終わってから思い起こすと……いい思い出だった気もする。
ティノにも散々迷惑をかけたが、せめて今回のバカンスが少しでも楽しんでもらえたらいい。
ハンターは危険な稼業だ。だが、楽しいことだって少なくないのだ。僕の才能は空っぽだったので共についていくのを諦めてしまったが、ティノのような才能に溢れる子だったら、きっと楽しいことの方が多くなるだろう。
「ティノ、バカンスは……楽しんで貰えたかな?」
「え!?」
不意の問いにティノが目を丸くし、しばらく沈黙する。
その純真な瞳に様々な色が過る。もしかしたら今回のバカンスでの出来事を思い出しているのかもしれない。
何も言わず待っていると、やがてティノは少しだけ頬を赤くして、鼻の所までお湯に沈めて小さくこくんと頷いた。
どうやら、いい思い出もあったらしい。
良かった良かった。終わりよければ全て良しだ。後はエヴァ達にお土産を買っていって、さんざん自慢してやろう。
帝都はだいぶ大変だったらしいが、誘ったのにバカンスについてこなかった彼らが悪いのだ。お土産には温泉ドラゴン饅頭なんてどうだろうか。
温泉に入ったら、また外に出てお酒を飲むんだ。そして、花火をやってまた温泉に入る。その時にはリィズたちもある程度落ち着いているだろう。
まったり、そんな楽しい事を考えていると、いきなりティノが僕に体当たりしてきた。
大きく身体が揺れ、足にティノの滑らかな脚が絡んでくる。
思わず言葉を失う。リィズだったら驚かないが、ティノは割と慎み深くTPOをわきまえるタイプである。
だが、ティノの表情に恥じらいはない。どちらかというと、今の状況が信じられないような顔をしている。
「…………何?」
「ッ……え? ち、違うんですッ! ますたぁ、なんか、身体が勝手に流れて――」
そこで、僕は温泉に大きな流れができている事に気づいた。
広々と取った湯船の中心に大きな渦が出来上がり、お湯がそこに吸い込まれている。穴でも空いたのか、凄い勢いだ。
異常に気づいたルークが目を輝かせ、立ち泳ぎでお湯の流れに逆らおうとするが、あっという間に飲み込まれる。流されるルークに腕を掴まれたリィズが目を見開いたまま消えていく。
ルシアとシトリーが渦に流されかけ、ルシアの魔法でなんとかその場に留まる。
「あ……」
絡みついていた脚が離れる。ティノが小さく声をあげて、渦に吸い込まれ消える。
お湯の嵩が瞬く間に減り、湯船の底が見えた。
渦の中心にあったのは、一メートルほどの大きな穴だった。湯を張る前には間違いなくなかったものだ。
残ったのは、浮き輪で耐えきった僕と、ルシアとシトリー、大きさゆえ流されなかったアンセムだけだ。
硬い音を立て、穴の縁に、どこか見覚えのある黒い鉤爪のついた指先が幾つもかかる。
呆然とする僕に、ルシアが戦慄したように言った。
「ま、またですか、リーダー」
「クライさん、皆で花火をするんじゃなかったんですか!?」
シトリーまで責めるような目で僕を見るが、これは僕のせいなのでしょうか?
「もうっ! もうっ! もうっ!」
ルシアが穴の縁を魔法で破壊し鉤爪を剥がすと、自ら穴の中に飛び込む。
このままではとても穴に入れないアンセムが立ち上がり、大きく足音を鳴らして宝具の全身鎧を取りに行く。
シトリーが困ったように目を瞬かせた。
「これ、埋めませんか? ルシアちゃんがいるならどうせ帰ってきますし……」
どこまでわちゃわちゃできるのか試してみました。
閑話は終わりです。次話から何事もなかったかのように新章がはじまります。
コミカライズ二話後編がアップされたようです。鼻ちょうちんを出しているクライが見れますので、是非ご確認くださいませ!
/槻影
更新告知:@ktsuki_novel(Twitter)
P.S.
書籍版一巻、二巻についても発売中です。
続刊やWeb更新速度に繋がりますので、そちらもよろしくお願いします!