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異世界のフリークス  作者: タクトん
第一章 化物世界を渡る
8/13

彼の選択

暑くて倒れそうな日が続きますね!

私、暑さに弱いんですよ・・・

残す所、世界は彼の居る城だけかと思う程に辺りは漆黒に染まり。

彼へとジワジワと無が迫る。



悔いは有るかと聞かれたら有る。

それだけが残念だ・・・と彼は小さく呟く。


諦めるに似た想いが彼を満たし、その眼を閉じかけた。

その時だ。


・・・よ・・・

・・・我が・・・とへと・・・


「・・・何だ?」


微かな、人間の声が聴こえてくる。


・・・我が・・・元へと・・・

顕現せしは・・・


次第に明確に聴こえてくる声は、彼の耳に届く。

男の声だ、その声は大きくなり。

彼を喜ばせる。


「フッ・・・ハッハハハハハ!幻聴か?だが、良いぞ。良い声だ、気力があり、精力的で、野心が声から滲み出ている・・・人の声だ・・・」


彼は久々に聞いた人のみなぎる生の声に気分を良くする。

最期に聴いたのは、全てに諦め。

虫の様な惨めな声だった。

だが、この聴こえてくる声は違う。

生きている人間の声だ。

希望があり、精力的で、気迫もあり、野心に満ちた。

男が聴きたかった人間の声だ。


我らが望みしは偉大なる大いなる力・・・

死をも払いし、全てを覆す大いなる力・・・

顕現せしは王・・・我が望みを聞き取り・・・

降臨せよ・・・


次に聴こえてきたのは女の声だった。

先程の野心ある。男の声ではない。

女の声は優雅で、色気があり。

自信に満ちた声だ。


「ほぉ・・・女か・・・良いぞ、声だけで判る。良い女の声だ」


男の顔に性的な興奮が現れる。

最期に女を抱いたのはかれこれ300年程前だっただろうか?

と、男は思い返す。


「はぁ・・・これが手向けか。悪くはない。

悪くはないが、ちと淋しいものだな・・・」


目の前の絨毯が消える。

残すは男と座る椅子のみとなった。

すると、どうだろうか。

男の足下に大きな陣が浮かび上がって来る。

陣は1つでは無い。

2つだ。2つの陣が足下に現れた。


「・・・何だ?この陣は?・・・視たところ。900年前に人間達が使っていた魔法の陣と似ているが・・・」


男は顎に手をやり、興味深く観察する。

だが、男の知識の中に。これと同じ物はない。


「・・・面白い・・・このまま消えるのも1つの道だが。ここまで私を呼ぶのだ・・・期待には応えたい」


彼は1つの陣に手をかざし、読み取る。


ふむ、これは男が創っている・・・野心家の男の陣か・・・


手を戻し、もう1つの陣へ手をかざす。


こっちは・・・女だな。あぁ・・・良い女の陣だ。

私を呼ぶ事に自信がアリアリと感じるられる。

ふっ、こちらを男と直感で感じたな?



手を戻し、暫し考える。

どうするか、どちらを選ぶ・・・


ふと。男は後ろを見ると、何やら小さい陣が浮かんでいる。

まさかの三つ目だ。


これには男も目を点にし、唖然となった。


「これは・・・これ程に存在感が無い陣が・・・いや、存在感がないのではない・・・」


男は余りの情けない陣に手をかざす。


これは・・・女・・・いや、少女か?

力が足りなく、これ位の陣しか創れなかった?

それにしても・・・


「なんと弱気な陣かッ!諦め・・・弱さ・・・卑屈・・・えぇい!腐った気がプンプンと臭ってくるわ!!」


男は余りの酷さに憤慨し、陣を握り潰した

次話にはあっち逝きます!

もぉいい加減あっち逝きたい

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