崩壊
(-_-)異世界まだー?
あれから、人類が。
人間がこの世から絶滅してから100年が過ぎた頃。
干からびた大地に佇む城。
その王座に男は居た、だが。
顔色は悪く、視線はただ。虚空を眺め。
表情は抜け落ち、一見。
人形の様でもあった。
絶望、悲しみ、怒り、後悔、憤り。
男の心は砂の如く、吹けば形すら保てない程に壊れていた。
そんな時だ。遠く、遥遠くから。
ガラガラと崩れる音が聴こえてくる。
次第に音と同調するかのごとく、地震にも似た震動が続き、音も大きくなってくる。
流石に無視出来なくなってきた頃、男はゆっくりと視線を回す。
すると、どうだろうか。
遥、地平線の先。見えない筈の地平線が近付いてくる。
いや、地平線が近付いてくるのではない。
地平線が、大地が、空が。
崩れていくのだ。
まるで大地が升目に切ったブロックの様になり、消えていく。
空も同様に、消えていく。
消えてしまった場所には何もない。
真っ黒や、真っ白とも違う。
色が判別出来ないのだ。
空間自体が消えているとでも、思えば良いのか。
男は冷静に有り得ない光景を分析し、眺めている。
ただ、あれに巻き込まれたら。如何に私だろうと助からないだろう。
そう感じたのか、男は思わず。
笑みを浮かべた。
(;´д`)まだだっちゃ♪