終わる1つの世界
相変わらずの不定期更新!
男が選んだのは、あの脆弱な陣であった。
初めは良い女の方でも良かった。
良かったのだが、男の中で。
勘に触ったのが陣から感じ取った弱気な気質。
なんと情けない!これでは最期に出会ったあの男と一緒ではないか!
全てを諦め、己の命すら諦めきったあの男と。
それが許せなかった。
男は握り潰した陣を即座に解析。
構築。そして行使する。
浮かび上がるは握り潰した陣の数倍の大きさ。
流石に掌サイズでは男も通るのに苦労する。
既に下半身は虚無に消え去っているが、何の問題ではない。
まだ「命のストック」は腐る程にあるのだ、消え去った下半身など、即座に修復可能だ。
男は陣に手を伸ばす。そしてゆっくりと。
まるで湯船に浸る感覚で陣へ身体を馴染ませ、入り込む。
男がこの世界から消えたあと、1つの世界がこの世から消え去った。
そして、1つのの世界に新たなフリークスが現れる。
残忍で、冷酷で、無慈悲で、暴虐で。
そして救われたい憐れなフリークス。
そんな彼が世界を渡り、初めに眼にしたのは。
薄暗い部屋の隅でガタガタと歯を鳴らし、ピンクのショーツを濡らした可憐な少女であった。
さてさて、これにてプロローグが終わりました。
これから説明会が2~3話挟みます。
それが終わったら・・・彼の強さが見えてくる筈です。