3話
サレナの話しを聞いてさらに聞きたい事が出来た涼介は
「なあ、もう1つ聞きたいんだけど?」
「なんですか?」
「魂って普通は、漫画やアニメみたいに炎じゃないのか?今のこの姿を見ると俺が死ぬ直前の格好みたいなんだが?」
「それはですね。普通の亡くなり方なら魂も炎みたいな形なんですけど、今回は特別に説明をしないといけなかったので、あなた自身に生前の肉体を無意識にイメージして反映して貰ってるだけです。ちなみに私の姿も人によって見え方が違いますからね」
「どおりでどこかで見た事があるような無いような人の姿をしてるわけなんだ。まあ、分かった。」
ちなみに涼介には、サレナの事を茶髪で顔がきれいな外国人女性で20歳前後ぐらいに見えていた。
「では、佐藤さん。死者の国に行きましょうか」
説明を終えたとばかりにサレナは、涼介の右手を自分の手で掴んで歩き出そうとしていた。だが、涼介はサレナの言葉に疑問を感じて手を振り払った。
「ちょっと待ってくれないか?今、何かおかしなのが聞こえてきたんだが?」
「どうしました?特におかしな事は言ってないと思いますけど?」
「気のせいかもしれないけど、今佐藤さんって言われたよな気がしたんだけど?」
「ええ。言いましたけど、それがどうしたんですか?佐藤さん」
「俺、佐藤ではないんだけど」
「・・・え?」
「俺は、柳井涼介って名前なんだけど」
「・・・」
涼介が、名前を言ったとたんサレナの顔がさっきまでにこやかにしていた顔から一気に青白い顔に変化していた。その顔を見た涼介は、なんだか自分がとんでもない事を言ったのではと思い始めていた。
(俺は今、自分の名前しか言わなかったよな?なのになんでこの人はこんな青白い顔をしてるんだ?まさかとは思うけど人違いって事は無いよな?)
涼介が、自分の中で不安が広がりつつあるなかでサレナは涼介以上に戸惑っていた。