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僕は現代で恋愛を成就させる  作者: ハク(HAK)
4/12

始まりと終焉

一週目。

一番手:翳の使者


せめて一週目は三番手まで読んでやってください……

夕方。日が沈みかけ、夕日色に染まる町中。どこにでもいそうな10代のカップルが歩いている。


「ねえねえ、次で最後になるだろうけど、どこ行く?」


彼女は彼氏に問いかける。


「そうだね、僕は**タワーに行きたいかな。あのタワーから見る夜の町の風景は幻想的な程綺麗だからね」

「ふ~ん。じゃあ、そこで決まりだね!」

彼女は彼氏の言葉に賛成する。


「じゃあ、行こう」


彼氏はそう言って、彼女の手を取って歩き始める。彼女もそれを嫌がる様子もなく、受け入れる。




1時間後。

2人は今、予定通りとあるタワーの展望台デッキにいる。

彼女が彼氏に一言だけ伝える。


「綺麗……だね」

「あぁ……」


彼氏もそれに一言で答えて、幻想的に輝く町の景色に見とれている。

2人はそれからしばらく、景色を眺めていたが、時間が時間のため、「そろそろ帰ろう」と彼女が彼氏に言おうとすると、その前に彼氏が真剣な声で話しかけてくる。


「***。君に伝えたいことがあるんだ。」


彼女は彼氏の真剣な声におされて頷く。

 彼女が頷くと、彼氏は再び喋り出す。


「**。いや、***さん。まだ、先になっちゃうけど、高校を卒業したら僕と結婚して下さい。」

「!!!」

彼氏の告白に彼女は驚く、しかし、すぐに状況を理解して返事をする。

「……はい。」

その返事をした彼女の目から一粒の水滴が落ちた。でも、その顔はけして悲しい顔ではなく、喜びに染まった笑顔だった。



しかし、そんな幸福な時間がすぐに消えることになるなど、誰が予想しただろうか?






1時間後。

彼氏の告白後。二人は帰路についていた。今2人は信号の前で立っている。


「いいよ、わざわざ送らなくても。どうせすぐそこだし。それに、**君の家はここから遠いわけだし」


彼女は彼氏に送ってもらうのが、申し訳ないのか、送らなくてもいいと、提案する。しかし、彼氏は

「いいや、ダメだ。いくら近いと言っても、やはり夜道は危険だ。送るよ。それに、婚約者をすぐに失いたくはないしね」

「……ありがとう」


お互い、仮とはいえ、婚約者になったのが、恥ずかしいのか、2人はそこからは何も喋らなかった。



信号が青になり、2人は渡り出す。

 その時……


「どけ!」

「え?」


なんと、一台の大型車が2人の元へ突っ込んできた。


「危ない! **走れ!」


彼氏はとっさに叫ぶ。しかし、彼女は恐怖に固まって動けない。

「仕方ない、よっと」

彼氏は彼女を抱えて、全力で走り出す。しかし、女子とはいえ、人、1人抱えた状態ではスピードもでず、車はすぐそばまで迫る。

「こうなったら……**少し痛いけど、我慢して」

彼氏は車にぶつかる寸前、彼女を優しく前に投げる。そのおかげで何とか、彼女の前から脱出する。しかし、彼氏は間に合わず……

バン!

彼氏は車に当たり、倒れる。


「**君!」


彼女は彼氏に近寄る。


「**君。**君」


彼女は何度か呼びかける。


「**……」


彼氏がその呼びかけに答える。


「**君!」


彼女は泣きながら彼氏の名前を呼ぶ。すると、彼氏は小さな声で告げる。


「……泣かないで**。君は僕の天使なんだからさ。ねぇ、笑って? 僕は大丈夫。絶対に死なないよ。だって僕は君と幸せになるんだから。それまでは、絶対に死なないから……だから、笑って?」


彼氏は血が大量に出ていて、苦しいはずなのに、よわよわしく、笑いながら笑ってと、言い続けた。

 彼女は泣きながらも、それに答えて、笑顔を浮かべる。


「……ありがとう」


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