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また訪れる
三週目。
二番手:アイス棒
……短すぎィ!
彼は彼だ。知っている。その言葉を。その声を。その顔を。その、性格を。
しかし彼は、もうこの世にいない。だったら今私の目の前にいるのは、誰?
……怖い。怖いよ。晃大。
「ああぁ? んだぁお前。貧弱な小鳥ちゃんか?」
「群れなきゃ何も出来ない子犬ちゃん、ここはお引取り願います」
そうそう。こんな人たちに向かってる時だけは口が悪くなる。舐められたら負け、だっけ。でも舐めすぎるのもいけないと思う。
「のやろ……おぉい、お前らぁ、まずはこいつで遊ばね?」
「いいねぇ」
強面の男たちが、晃大に軽薄な笑いを浮かべる。そして晃大は腕を構え、
「おまわりさーん」
「なっ!? はっ、そんな都合よく」
「君たち、何をやっている!?」
彼が警備員の存在を確認したのを、私も確認していた。
柄の悪い男たちは逃げていった。鳥でも犬でもなく、それは脱兎のごとく。
「お話、お願いします」
「……あの、さ。榛原晃大、この名前、知らないよね?」
「はいばら……あきと……どこかで……? っ!」
彼は急に頭を押さえてもがきだした。
「大丈夫!?」
「み……おん……?」
彼がドサリと倒れる。
倒れ際、彼は私の名前を呟いたように聞こえた。




