神德寺という寺3
つ、次の話では戦闘いれます………
「あれ?俺が一番最後じゃないの?」
本堂に入るとそこには十三個の座布団が円形に並び、既に十一人が座っていた。
「燈くんは蓮二くんの後ろに座ってくださいね。座布団は用意しておきましたから」
そう言って進藤は座布団を置きながら自分の隣を指差す。
「一位が一番遅くてどうするんだ。そういう意味の位じゃないんだぞ」
小言を挟むのは神狩の隣に座る郷田という坊主で、進藤とは対照的に骨格がしっかりとしている。
神德寺では、門下十人にそれぞれ位を設けている。
一位から順に十位まで、実力順で神狩が決めていた。
「別に好きで一位になってるわけじゃないっすよ」
蓮二は軽く受け流すと進藤の隣に腰を下ろす。
「燈。お前も早く座れ」
「は、はい!」
燈はがちがちに緊張していた。
それもそのはずで神德寺の総会など、そうそう参加できる代物ではない。
神狩を一番上座に据えて時計回りに進藤、蓮二と続き二位、三位と順に座っている。
そして十位の隣が郷田で、燈を除いて合計十三人いるはずだった。
「遅すぎるぞ蓮二。お前が来ないと総会が始まらん」
神狩が口を開いた。
神狩は神德寺の和尚で代々神狩一族が神德寺を守っている。
歳は六十を超えているだろう。しかし全く衰えを感じさせぬほどの存在感を放っていた。
神德寺の他の十二人の師匠でもある。
「耄碌したか?郷田さんの隣が空いてんだろ。左之助がまだ来てねーよ」
確かに十位の座布団が空いていた。
名は五十嵐左之助。神德寺で最も若い青年だった。
「今日は左之助の件で総会を開いたのだ。黙って座っとれ」
そう言って神狩は順にそれぞれの顔を眺めていった。
一周するとやっと口を開く。
「遠いところご苦労だった。見ての通り十位の五十嵐左之助が今この場にいないのだが、蓮二が知らないのも無理はない。知っている者もいると思うが改めて言っておかなければならんことがある」
そういって神狩は目を細めた。
「三日前、左之助が何者かに襲撃され、能力を失ってしまったようだ。意識は今も戻っていない」
神狩はポツポツと話し始めた。




