侵入者3
「ここはどこなんだ?」
柴崎は辺りを見回しながら混乱していた。
「多分東京の何処かじゃないですかね。ここは柴崎さんの夢の中なので結構変わったりしてますよ」
蓮二は煙草を取り出し火を付ける。
「じゃあさっきの空間は?」
「それは多分あの人たちがつくりだしていた幻影だと思います。精神的に負荷をかけると術に嵌めやすくなりますから」
燈は構えを解き、両手の調子を確かめながら柴崎に答えた。
燈が放った炎の光線は柴崎の夢に侵入してきた者に当たったようで、術を破ってしまったようだ。
「へー、燈の炎を防げるとはなかなかだな」
蓮二は爆発のあった地点に目を向けながら感心していた。燈の炎の威力は毎晩の修行の中で身を持って知っているので、防がれるとは思っていなかったようだ。
大きくえぐられた地面の中心に、半透明の黒い障壁に包まれた男が二人。上下ともにお揃いの迷彩服を纏った彼らには動揺の色が見られた。
男たちが蟻地獄のようになっている爆心地の淵からその様子を見ている蓮二たちに吠える。
「お前ら何者だ!?」
「夢安か!?」
食い気味に、そして敵意をむき出しにしたその口調に蓮二はやる気のない返答をする。
「えーっと、お前らが何者だよ」
「あ、一応夢安ではないですよー」
燈のフォローも男たちの神経を逆撫でするだけだった。
「まぁいい、殺るぞ。ミケ」
「おう、ネイト」
男たちは黒い障壁を解き、腰に携えていた大振りのナイフを抜いて距離を詰める。
「今なんて言った?ミケとかネイ………なに?」
「ネイトですよ。コードネームじゃないですかね」
「燈くん?なにしてんの?」
燈は蓮二の背中に隠れていた。
「もう僕疲れちゃったので蓮二さんお願いします」
「俺今回、一個しか玉持って来てないんだけど………」
「それは自己責任ですよ」
燈は蓮二をクレーターの中に突き落とした。




