表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
夢狩り  作者: renzi
第二章「微睡」
24/30

三つ巴4

由比ヶ浜っていいところですよね

 



「起きてくださいよー、ねぇ二人ともぉー」


 仁華が二人を揺する。


「寝てたのか………今何時?仁華」

「今は十一時半ちょっと過ぎっす」

「もうそんな時間なのね。少し寝すぎた。上着ありがとう仁華」


 蒼介は砂まみれの体を払いながら立ち上がる。


「結局空振りかぁ………後は丑三の中かなぁ」

「それなんすけどアジト見つかりましたよ」


 二人は仁華を睨む。


「何した?」

「もはや容疑者並みなんなんですけど………その疑われ方」

「昔からだよ」

「そ、そうっすか………」


 仁華は二人の視線に押されて後ずさる。


「何をしたかは言えないんすけど、とりあえずその場所行きますか?」

「言えない理由は?」

「えーっと、これ俺のスキルにも関わるんで誰にも言えないんすよ」


 自分にしかできないこと、つまり夢の中での能力は無数に存在し、スキルと呼んでいる。安曇の人の数と位置を知ることができるのもこのスキルの一種だった。

 スキルは自分だけの特権のような物で、これは自ら他人に教えても不利益しかない。


「そう言えば逃れられると思ってるんでしょ」

「そろそろ白状しろよ仁華」


 過去にも仁華は人探しや奇襲の予知など、本来ならばわからないはずの丑三の外でのことも把握することがあり、今回の捜査に仁華を入れたのはそのスキルが目当てだった。丑三の外にいても対象の場所がわかるのはチートもいいとこだ。


「む、無理っすよ。ほ、ほら、早く行かないと丑三開いちゃいます!」

「こら!待て仁華!」


 仁華は二人から逃げ出した。




 ーーーーーーー




 時は少し過ぎ十二時十分。

 三人は海から少し離れ、民家の前に立っていた。


「こんなとこがアジトだって?」

「だってここ周辺で反応あったのここだけっすもん」

「反応ねぇ………へー」


 瑞樹はまだ仁華を疑っていた。


 その民家はどこにでもありそうな外見で、表札はなかった。庭の雑草は生い茂りとても人が住んでいるような気配はない。


「もう丑三は開いてるけど、一応中入ってみますか」


 蒼介は警察手帳を片手にドアを叩く。

 しかし反応はなかった。


「誰もいなさそうだなぁ………あ、鍵かかってない。失礼しまーす」

「失礼するんすか………」


 蒼介はそのままドアをくぐる。

 光はなく暗闇に包まれた家の中は外とは違い明らかに生活感があった。玄関に靴はなく、廊下に靴の足跡がついている。


「土足なのか。なーんか怪しいなぁ」


 足跡を追って土足のままリビングまで進む。

 蒼介は屈んで足跡をよく見て、何人いるのかを確認しているようだった。


「蒼介………」


 それゆえに瑞樹の呼びかけで初めて気づく。

 どこからでてきたのだろうか、十人ほどの男たちが立っていた。


「えーっと、ここの家の人………ってわけじゃなさそうね。とりあえずそのナイフはしまってほしいんだけど」


 蒼介の気の抜けた声とは裏腹に閑散としたリビングには緊張感のある空気が充満する。

 男たちの外見はこれといって共通する箇所はなかったが、その手には大小様々な刃物が握られていた。


 少しの沈黙の後、男たちの真ん中にいたリーダー格風の男が口を開いた。


「見逃してもらえないですかね、神田さん。ほら、人数差もありますし」

「いや、なんか悪巧みしてなければスルーなんだけど、その手に持ってるやつと状況的に、見て見ぬ振りはできないなぁって」


 男はにたにたと気色の悪い笑みを浮かべながら黒玉を取り出す。


「それでは仕方ありませんねぇ。ここにいた記憶は置いていってもらいましょうか」


 手から滑らせるように黒玉を床に落とした。






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ