三つ巴3
仁華ぁ………
「来てみたのはいいんだけど」
「どうするんすか、これから」
「さぁ、俺にもわからん」
砂浜に腰を下ろし輝く星空をみながら三人は途方にくれていた。
わずかな、それも本当なのかどうかもわからない手がかりは由比ヶ浜あたりに最近強い集団ができたこと。
「花菱の手の込んだ嫌がらせとか?」
「わざわざそんなことする連中じゃないよ」
西城から送られてきた夢玉の中には三人が追う集団の情報が入っていた。まるでタイミングを見計らうように。
「あいつらにも邪魔な存在なんじゃないかな」
蒼介は煙を吐くと西城から送られてきた夢玉を取り出す。
「こいつらの情報、やっぱ頼らないとだめなんじゃない?」
「嫌よ。それなら蒼介一人で行って」
「面倒なのは御免っす」
「そこまで拒否する?」
二人は花菱からの情報は信用していないようだった。
夕方から由比ヶ浜周辺を歩き回っても、今度は黒夢にさえ引き込まれないでいるのに頼ろうとしないという徹底ぶりである。
三人はそのまま砂浜で寝っ転がっていた。
静寂に包まれる海、聞こえる波の音を数を数えるのも飽きるほどの時間が過ぎる。
「もう十一時っすよー。ここで丑三はいるのは嫌っすよー。聞いてますー?」
仁華が沈黙を破る。しかし反応はなかった。耳を澄ますと聞こえるのは安らかな寝息が二つほど。
「ほんっとやってらんないっすよね………」
仁華は意外とまめな性格なのだろう、自分の上着を瑞樹にかけ、蒼介には砂をまぶしていた。
大きく息を吐きながらスマートフォンを取り出し電話をかける。
「仁華っす。二人寝ちゃったんすけど、どうしますか?」
誰かに電話をかけているようだった。
「了解っす。それでは」
起きる気配は全くなかった。
仁華はそれを確認すると少し大きめな灰色の夢玉を取り出した。
「これまだ試作なんすけど、お許し出たんで使いますかね」
仁華は落ちている小石でその夢玉を砕いた。




