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夢狩り  作者: renzi
第二章「微睡」
20/30

柴崎という男3


お金。それは正義。

 



「だからやりすぎだって蓮二さん………」


 燈が大きくため息をつきながら炎の壁を解こうとした。


「待て燈。まだいる」


 蓮二は背中を向けたまま燈に指示を出した。


「どういうことですか?もう五人いますけど………」


 蓮二に蹴り飛ばされて気を失っている男、盾にされた男、胸のあたりで上下に切り離されている男たち三人。


 確かにすでに五人いる。


「こいつだけ人形だ」


 蓮二は一番最後に斬った男を指差す。

 姿勢を崩さず剣をさらに圧縮し細い投擲用の槍に変えると、おもむろに燈たちの背後の壁に投げつけた。


「わかった。降参だ」


 誰もいなかったはずの壁にいきなり人影が浮かんだ。

 蓮二の槍は壁に背をつけていた男のこめかみをかすり壁に突き刺さっていた。


「安曇の探知はこいつの人形を認識していたんだな。本体は完全に存在を消していたみたいだ」

「そんなことなら玉使っとけばよかったな」

「玉なしでそこまで正確に探知できてんだから十分だろ」


 男は胸ポケットから黒玉を取り出すと静かに割った。



 ーーーーーーーーーーーーーーーー



 時は戻る。


「あの五人で腕が立つといいますとセキュリティに問題がありそうですよ」

「あいつらは『今』私の部下の中で腕が立つだけだ」

「それはどういう意味で?」


 柴崎によれば三日前に正体不明の集団に襲撃を受けたそうだ。


「その時に私の専属だったものたちはかなりの傷を負ってしまった。まぁ中での話だがな」

「重傷………ですか」


 一口に重傷といっても、こと夢の中での出来事であれば、あぁそうですかと片付けられる話ではなかった。

 現に蓮二が斬った二人は今だに立てないでいる。


「傷が消えんのだよ。そして夢の中に入れなくなってしまったようなのだ。私にはわからんがね」


 葉巻の灰を落としながら続ける。


「それだから警察に話をつけようとしたんだが、神田とかいう若造にここを紹介されたわい」


(あの野郎………)


「そうでしたか。しかし、裏で夢警備をしているところは他にもありますよ?わざわざこんなとこに来ることはないのでは?」

「私の部下程度の実力の奴らに頼んでも意味がないだろう。だから少々試させてもらった」

「そ、そうですか………」



 イメージこそ夢の中の最大の力であり、欠点でもあった。

 一度効果がないというイメージを刻まれればそれは直ちに反映されてしまう。


 また、作り出せる物には限りがある。

 形や効果、威力、範囲など夢の中で作り出した物には「情報」が詰まっている。

 刀であればその形を常に保たなければならず、そして斬るというイメージ、弾くというイメージなどが常に必要だった。


 それゆえに無限には作り出せない。


 その分持ち込みの武器は楽だった。

 外でも中でも能力は一定であり、持てる限りであれば持ち込むことが可能だからだ。


 民間の警備は主にそのような武器を扱っていた。

 それだから柴崎は蓮池に訪れたのだろう。


「依頼内容は私の護衛、それと後藤という男の夢の中を見てもらいたい」

「えーっと、一応ここはアクセサリー作ってるところなんですけど………」


 蓮二が面倒そうに答える。


「ボディーガードが復帰するまでの間、契約金として前金で一千万、襲撃の撃退の成功報酬として一度につき五百万払おう」


 蓮二が背筋を伸ばした。


「お話、詳しくお聞かせください」


 金には弱いらしい。






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