天狗の面2
天狗の面編が全部消えるというハプニング
か、書き直し………
建徳寺
「誰かと思ったら神德のとこの烏天狗かい。大きくなったなぁ」
「桜庭先生こそお元気そうで」
そこは北鎌倉駅から少し鎌倉駅の方に歩いたとこにある、注意していなければ通り過ぎてしまうほど細い路地の先にポツンと建っている建徳寺という寺だった。
神德寺より小さなその寺は争いごとを極力避け、寺の序列など全く気にしていなかった。
そのため丑三に入れるのは桜庭と弟子の一人だけと少し変わっていた。
「敬語を覚えたか?神狩のやつもいい教育してるのぅ」
桜庭は楽しそうに笑う。
「それで、今日はどんな用事だい?可愛いお弟子さんなんか連れて来て」
そういって桜庭は燈に視線を移す。
「今日はこいつの面を作ってもらいに来ました。さっき神德の十位を継承したばっかりなんですけど」
「桐生燈です!」
蓮二はめんどくさそうに、燈は元気に答える。
「ほぉ、神德の十位が欠けたか。まだなったばっかりだったのにのぅ」
一旦区切ると桜庭は蓮二に向き直る。
「天狗の面はいいのだが、その前にあれやるけど、準備は?」
「今日俺持って来てないんですよ」
「なら僕の貸すけど?」
「それなら俺のでやります。先生の玉なんて怖くて使えません」
「なんだ、持ってるんじゃない」
二人の会話に燈はついていけていなかった。
(玉を使うって………どういうことなんだろう。何かするのかな………?)
ぼーっと二人の会話を聞き流しながらそんなことを思っていると桜庭が燈をもう一度見る。
「準備はいいかな?桐生くん」
「え?な、なんの準備ですか?」
「あれ?烏から聞いてないの?烏も人が悪いねぇ」
「人じゃないからいいんですよ」
そういって蓮二は軒先に腰を掛ける。
「ほら、燈も早く座れ」
燈は言われるがまま蓮二の横に座り荷物を置く。
「手加減はしませんよ」
「まだ烏に負けるほど衰えてないよ」
そういって桜庭は黒玉を割った。
「ちょ、ちょっと待ってください!」
燈の声が響いたのは既に黒夢の中だった。
蓮二は大天狗の称号を持っていますが、それと烏天狗というのは関係ありません。
本来の大天狗は他の天狗より高位とされていて、動物などの天狗は小天狗に分類されます(例外はたくさんあるので割愛)。
でも蓮二達は人間ですし、二つ名、呼び名だと思っていただければ幸いです。
先に天狗の名前をもらい、そして位が上がって行きます。




