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異☆世界転生~愛すべきバカ共の戯れ!!~  作者: 高辺 ヒロ
第一部 異世界で遊びま章
53/224

第伍拾閑 奴隷少女ゲットだぜ!

「あ~痛い」

 剣で切り裂かれた頬が痛い、でも当たったのが頬でよかった、心臓とかだったら遺体になってたよ。


「ご、ごめんなさい! もうっ、何度も謝ったでしょう!?」

「へいへい」

 重たい荷物を持ちながらラヴと二人、奴隷ちゃんを引き取るために、再び奴隷商のもとへ向かう。

 あれから色々と物色し、選別し、交換するものを決めた。

 選んだのは、ネネネが入っていた装飾過多な鎧一式、剣を数本に、宝石類をを数十個。

 いつぞやのドラゴンの羽も高く売れるということだったが、他に使い道があるかもしれないと、今回は残しておくことにした。


「よっこらしょ」

「よいしょ」

 ドスンという音を立て、それらの荷物を奴隷商の前に置く。


「ヒヒヒ、これはこれはお帰りなさい」

「これでどうだ?」

「ではでは、ヒヒヒ」

 奴隷商は置かれた荷物を鑑定するかのように、見始める。

 褐色黒髪ケモノちゃんは、未だに敷物の上で丸まって寝ていた。

 俺には彼女の、ショートの黒髪などは目に入らない。

 あのたまにピクピクっと動く三角の耳、そしてパタパタと地面を叩くフサフサの尻尾。

 早くさわりたいっ! 早くモフモフしたいっ!

 お、おっと間違えた……俺の目的はそんなことじゃない、彼女を助けてあげることだ。

 早く鎖を取ってあげたいっ! 早く自由にしてあげたいっ!

 そして、そしてっ……ぬぉぉぉぉ!!


「何クネクネしてるのよ気持ち悪い」

「いえ、何でもありません……」

 危ない危ない自重自重、ラヴの胸くらい自重しないと。


「ヒヒヒ」

 鑑定が全て終わったのか、俺が持ってきた物を地面に置くと、商人はニヤニヤと笑った。


「鎧一式、剣が長剣・短剣合わせて四本、装飾品・宝石類が合わせて十三点……ふむいいだろう、商談成立だ、ヒヒヒ」

 商人はそう言うと、それらの荷物を後ろにあった馬車のようなものに積み込み始める。


「そいつはもうアンタのものだ、好きに持ってって、好きに使うといい。と言ってもしばらくは薬で寝てるがね。ああ、あと鎖の鍵も渡しておくよ、ヒヒヒ」

 ということなので俺は商人から鍵を受け取り、丸まって寝ている元奴隷少女を抱きかかえる。


「ムニャムニャ……」

 とうとうゲットだぜ! ピッピカチュウだぜ!

 こ、こんな近くに耳が……これはあれだな……犬だ!

 一体これから、どんな素晴らしい生活が待ち受けているんだろう。

 『ご主人様~』わぁ~おだ!


「よし、早く帰ろうラヴ」

「……」

 しかしラヴはなにやら考え事をするように、褐色少女をじっと見ている。


「ラヴ?」

「……え? あ、ああ、ええ。」

「どうかしたのか?」

「いや、その子、どこかで見たような…………まあいいわ帰りましょう」

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