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異☆世界転生~愛すべきバカ共の戯れ!!~  作者: 高辺 ヒロ
第二部 異世界で暮らしま章      【魔王SPRING:春】
193/224

第佰玖拾閑 明朝に。早朝に。

「ふぅ……」

 事態の収拾には、たっぷり数十分を要した。


「まあ分かったよ、交渉しに行くとしよう」

 楽しい時間を過ごさせてもらったし、そのお礼に。

 いや、何かさっきのアレを楽しいとか言ってしまうと、俺が本当にM野郎みたいだけど……。

 と言うかよくよく考えると、風呂が壊れて放っておくわけがない奴が、他にもあと三名いるのだ。

 そしてその三名が一番うるさくて、厄介。

 風呂を遊び場か何かと勘違いしているあいつらが、ドラム缶風呂ごときでおさまるわけがない。


「にしてもラヴ、どうしてお前はそんなに風呂にこだわるんだ?」

 そんなに必死に。

 一生のお願いまで使って。


「そ、それは……」

 何か嫌なことでも思い出したのか、少し俯くラヴ。


「何かあったのか?」

「む、昔ね、旅をしていたときのことよ。そのときは野宿が当たり前で、当然お風呂なんてなくて。そんな中立ち寄った町で、すれ違う町の人たち皆に鼻をつままれて。出て行く頃には臭者とか言われて……それがショックで」

「……」

 あのあだ名はラヴが作ったものではなく、実際に言われたものだったんだ……可哀想に。


「は、はははは、あまり落ち込むなって、そういうこともあるよ」

 あるか!?


「よし、まあそういうことなら急ごうか。今日はもう日が落ちたから無理だけど、ドワーフのところには明日の朝早くから行ってみよう」

「ええ」

 自嘲するように引きつった笑みを浮かべて彼女は頷いた。

 よほどショックだったんだろうな……一応これでも女の子だし。

 男の俺だって、臭いとか言われたら結構心に来る。


「えーっとじゃあラヴは一緒に行くとして、逸花、お前はどうする?」

「着いて行くに決まってるでしょー? 私はたっくんの行くところなら、地獄の果てでも着いて行くよ」

 地獄の果てって……地の果てくらいにしておけば、まだ可愛いものを。


「血が果てても着いて行くよ?」

 なぜわざわざ物騒な言い方をするんだ。


「エメラダはどうする?」

「……私は行かない。行かない方がいい」

 行かない方がいい?


「どうして?」

 俺としては、エメラダがいてくれるとかなり心強いんだけど。

 むしろエメラダだけいてくれれば、来てくれれば、それでいいんだけど。


「エルフとドワーフは、昔から仲が悪い……。私が行くと……交渉してもらえない」

「喧嘩でもしたのか?」

「理由は誰にも分からない……でも昔からそう」

 何だそれ……喧嘩して喧嘩して、喧嘩しつくして、喧嘩の理由は忘れたけど、でもまだ喧嘩してるとかいうやつか。

 まあ民族間・種族間には、それなりにある話か。


「私の予想では……エルフもドワーフも、最後が“フ”で終わるから」

「それで仲が悪いと? ……それは多分違うと思うよ?」

「なぜ? なぜアスタロウはそう思う……?」

「勘、かな?」

「……勘?」

「そう、ドラム缶」

 何ちゃって。


「……?」

「……ま、まあまあ、そういうことなら今回は城で留守番をしておいてくれ」

 コクリと頷き、私の出番はここまでと言わんばかりに食事の間から出て行く彼女。


「さ、と言う事で今回は俺達三人で行こう。それでいいな?」

 確実に交渉失敗するので、ネネネとルージュとクゥにはバレずに行きたいところだ。


「ほんとーはたっくんと二人きりで行きたかったけど、私はこの世界のことに詳しくないから仕方ないね。まーよ良かったじゃんたっくん、両手に花だよ」

 両手に花?

 バカを言うな、両手に花火の間違いだろう。

 しかも打ち上げ。爆発してくれるなよ……。


「ところでさラヴ、ドワーフがどこにいるかは分かってるんだよな?」

 まさか妖精やエルフみたいに、見つけ辛いなんてことは。


「ええ、それは大丈夫。と言うか、アンタも知ってる場所よ」

文字数が少なくて、本当にごめんなさい。

今日も読んでいただき、ありがとうございました。

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