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異☆世界転生~愛すべきバカ共の戯れ!!~  作者: 高辺 ヒロ
第二部 異世界で暮らしま章      【魔王SPRING:春】
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第佰捌拾伍閑 誰の、どんなパ○ティー?

「それで? パーティーするって言うけど、結局何のパーティーなんだ?」

 ネネネとルージュの捕獲も完了し、ラヴと逸花の料理も完成し、全員が食事の間の椅子に腰掛ける。

 目の前にはパーティーの名に恥じないほど、豪華な食事が並んでいる。

 しかしパーティーと言っても、何のパーティーなんだ。


「そんなの、楽しければ何でもいーんじゃない?」

 と逸花は言う。


「何であれ、パーティーが出来て楽しければ、ね?」

「んーまあそっか」

「どーしても何か名目が欲しいって言うなら、適当に決めちゃえばいーんだよ」

「いや、別にどうしてもってわけじゃないんだ、ただ気になっただけであって」

 何か一つ決めるにしたって、特にしっくり来るものもないし。


「一つに決めるのが無理なら、もー全部、パーティーと名の付くもの全部をひっくるめたパーティーにすればいーんだよ!」

 逸花は名案とばかりにパーティーの種類を挙げ始める。


「バースデーパーティーでしょ。クリスマスパーティーでしょ。ハロウィンパーティーでしょ。ひな祭りとか端午の節句とか七夕とか、その類も入れていいのかな? 後は……ああ、あれ、コープ○パーティー!」

 おい、さりげなく閲覧注意な単語を放り込むな。

 と言うか全部ひっくるめたパーティーって、乱雑とし過ぎだろう。

 季節感とか入り交じってるし。


「じゃじゃんっ! さてここで問題でーす」

 ぴょこんと人差し指を立てる逸花。


「このように、乱れ交ざるパーティーを、何パーティーと言うでしょーか?」

「はい!」

 手を上げたのはルージュだった。


「はい、紅ちゃんどーぞ!」

「社交パーティーじゃ」

「ぶっぶー!」

「何じゃと!?」

「惜しかったけどね、ざーんねん」

「はいですのっ!」

 次に手を上げたのはネネネ。


「はい、桃ちゃんどーぞ」

「乱交パーティーですの」

「せーかい!」

「おーっほっほっほっほ! どうやらネネネの勝ちのようですのね、ババア」

「むぅ……」

 何なんだこれは……。


「と言うことでたっくん、今回のパーティーは乱交パーティーってことでどうかな?」

「却下します」

 何を口走ってるんだ。


「大体お前、たとえそんなパーティーを開いたとして、俺が他の奴と関係を持つことを許さないだろ」

「あは、バレちゃった。もしたっくんがするって言ってたら、始まってたのは乱交パーティじゃなくて乱闘パーティーだったよ」

 そんなことは分かりきったことだ、何年一緒にいると思っている。

 幼馴染なめるな。


「まおーさま、幼馴染を舐めるとはどう言うことですの?」

「え、たっくん私を舐めるの? 別にいーけど、優しくしてね?」

「…………」

 さ、て、と。


「でもまあバースデーパーティーっていうのは、悪くないかもな」

 ここに来てもう一年以上が経つけど、まだ誰の誕生日も祝ってやれていない。

 そんな話、ラヴ達も全然しなかったし。


「誰のなのだ?」

「んーそうだな、四月だから、できれば四月生まれの人がいいな。クゥは何月生まれだ?」

「う~ん……」

「分からないのか? 生まれたとき月が何個出てたとか、聞いてないか?」

「……わ~ん」

 何だか唸り声が犬の鳴き声みたいになってきてる……。


「確か、ワン個だったような気がするのだ」

 だから、どうしてそう犬と間違われるような発言をしてしまうのか。


「一個か。じゃあ一月ってこと――」

「あー違うのだ、思い出したのだ! テン個なのだ!」

「十個、つまり十月と。四月からはちょっと遠いな」

「でも半年しか変らないのだ! ハン! ハン!」

「半年も、だ。えーっと誰かこの中で四月生まれのやついないの?」

 逸花は八月生まれだし。

 と、そこで、俯きプルプルと震えながら手を上げているやつが一名。

 ラヴだった。


「わ、私は四月生まれなんかじゃ、な、ないんだからね」

 何のツンだそれは。


「そっかラヴちゃんは四月生まれか、なら丁度いいな。じゃあ今日はラヴの誕生日パーテ――」

「だから四月生まれじゃないって言ってるでしょ!?」

「なぜそこまで必死に拒否をする!」

「だ、だって……」

 急にモジモジし始める彼女。


「誕生日を皆に祝って貰うなんて、う、嬉しいけど、恥ずかしいし……それに私だけ祝って貰うなんて何だか悪いし」

「ちょっと待てラヴ、まだお前だけを祝うと決まったわけじゃない。まだこの中に四月生まれがいるかもしれないだろ? ほら、他にはいないか」

 まあ正直、そんなことあるわけが――


「ハイですの!」

「……はい」

 あった!?

 手を上げたのはネネネとエメラダ。

 まさか七人中三人も四月生まれとは。


「ネネネは五月生まれですの」

「じゃあどうして手を上げた! 俺が今聞いてるのは四月生まれの人だ!」

 紛らわしい!


「いいじゃありませんのまおーさま、五月まで後ちょっとですもの。ネネネも祝ってくださいな」

「んー……まあそうだな。分かったそうしよう」

「……アスタロウ、私は三月」

 エメラダさんも四月じゃなかったんですね……。


「三月も終わってちょっとしか経ってないしな、一緒に祝おう」

「……」

 コクコクと頷くエメラダ。


「ラヴも、三人ならいいだろ?」

「た、たんじょーびを……祝って、祝って、もら、もら、貰える」

 もはやラヴは上の空で、俺の声など届いていない。

 が、まあいいだろう。

今日も読んでくださり、ありがとうございました。

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