表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異☆世界転生~愛すべきバカ共の戯れ!!~  作者: 高辺 ヒロ
第二部 異世界で暮らしま章      【魔王INTER:冬】
156/224

第佰伍拾参閑 かくかくしかじか

「勝負だぁぁぁぁ!」

「ほう、勝負とは何やら楽しげじゃの」

「まおーさま、ネネネは今日勝負下着ですのよ」


「一体何をしておるのじゃ?」

「ナニをしていますの?」

 不意に後ろから聞こえた、二つの声。

 雪を掴んで振り上げた手をそのままに、首だけで後ろを振り返ると、そこにいたのはお騒がせ三姉妹の二人。

 ネネネとルージュだった。


「何かはしているけど、ナニはしていない」

「ふむ、見た所によると雪合戦かの」

 依然として飛来している雪のたまをかわしながらルージュ。


「それならワシも混ぜろ」

「ネネネも、イキ合戦したいですの」

「いや、これは雪合戦でもイキ合戦でもない」

 と言うか、イキ合戦って何だ……?


「それはアレですのよまおーさま。白いベッドの上で男女が交わすアレ。雪合戦で使うタマはキンと冷えた雪だま。しかしイキ合戦で使うのは、キンタ――」

「あーあー分かった、分かったから落ち着いて」

 まったくもうまったくもう。

 油断も隙もない奴だ。

 気を抜けばすぐに下ネタを発しやがる。


「ネネネ、お前もたまにはもっと女の子らしい発言をだな」

 まあ何が女の子らしくて、何が女の子らしくないのかは、よく分からないけど。


「ごめんなさいまおーさま、もう一度言ってくださいます? “たま”の部分しか聞き取れなくて」

 …………。


「お前は何だ、煩悩の塊だな」

「本能の塊ですの」

 あっそう……。


「おい、何でもよいがアスタよ」

 ちょんちょんとズボンを引っ張るルージュ。


「ラヴリンは何をあんな必死になって、雪だまを投げ来ておるのじゃ?」

 俺を見上げるその顔は、呆れたといった感じだった。


「いやぁそれがかくかくしかじかでな……」

「かくかくしかじか……何を言っとるのかさっぱり分からんのう」

 なん……だと……?


「いやだからな――」

 こうなった経緯を、簡単に説明する。


「ほう、そうじゃったか。うむうむ……」

 ルージュは腕を組みしばらく黙考をした後

「ふむ、よし分かった。いい考えがある、ワシに任せろ」

 言って、グッドサインを残し、雪だまの降る中ラヴのいる方に駆けて行った。

 



「と言うわけで、今から第一回魔王城雪合戦を開始する」

 ラヴと何やら話をして戻ってきたルージュは、開口一番そう言った。


「どういうわけだよ……」

「かくかくしかじかじゃ」

 かくかくしかじか。

 本当だ、分からない……。


「何じゃどうしたアスタ、そのいまいちよく分からんと言ったような顔は」

「いや、そのおとおりだよ。かくかくしかじかじゃ、分かんないんだよ」

 いまいちどころか全然。


「やれやれ仕方がないのぉ」

 つまりこういうことじゃ、彼女はビシッと俺を指さす。


認も取らずにアスタを疑ったラヴリンを許すまじ。()くなるなる上は。るべきルールの下。に決着をつけよ!」

 それじゃあ斯々然々(かくかくしかじか)じゃなくて、確斯然直(かくかくしかじか)になるけどね。

 遠からず、近からず。


「それで。そのしかるべきルールってのが、雪合戦と?」

「そのとおり!」

 悪戯っぽく笑みをこぼした。


「でも雪合戦なんかわざわざしなくても、直に決着をつけられるけど?」

 大体雪合戦をするにしても、大会を開いて全員でしなくとも、俺とラヴだけがすれば十分だし。


「まあ待てアスタよ、それではおぬしが負けてしまうのは明白」

 確かにね……。


「それではあまりにも可哀想じゃと、そう思うて公平な場を設けてやったのじゃ」

「なるほどなるほど。で、それは建前として本音は?」

「雪合戦がしたいのじゃ」

 素直で大変よろしい。


「ネネネもイキ合戦したいですの」

「ボクもムキ合戦したいのだ!」

「あらワンちゃん。ムキ合戦と言うのもなかなかエロいですわね」

「何がエロいのだ?」

「だって剥き――」

「あー! あー! やめろネネネ!」

 綺麗なクゥに、変な知識を吹き込まないで!


「アスタロウ……私もする」

 と、どうやら片付けが全て済んだらしいエメラダ。

 お前は何だ、オキ合戦か? お仕置き合戦。


「ちょっと魔王、いつまでペチャクチャ喋ってるの! 早く決着をつけるわよ!」

 ラヴはラヴで、ネネネのとは違う意味でムキ合戦だしな。


「はいはい。ならまずはチーム分けでも決めようか」

 俺には危機(キキ)合戦か死期(シキ)合戦でしかなさそうだ……。

 良き(ヨキ)合戦になってくれればいいけど。


「――コキ合戦と言うのもエロいですし、ツキ合戦と言うのもなかなか。後はクキ合戦やサキ合戦なんかもそれなりにエロいですの」

「ふーん、ボクにはエロは難しいのだ」

「ネ! ネ! ネ!」

今日も読んでくださり、ありがとうございました。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ