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異☆世界転生~愛すべきバカ共の戯れ!!~  作者: 高辺 ヒロ
第二部 異世界で暮らしま章      【魔王TUMN:秋】
120/224

第佰拾漆閑 NOムラムラ! YES絶頂!

「後、町の名前のことなのですが」

 ああそうか、もうネネネが付けた『ム~ラ村』も、『町』になったなら使えないわけだ。


「何にするんだ? 何か候補とかあるのか?」

「いえ、何だかんだで、もう決まりました」

「え!? もう決めちゃったの!?」

「はい。何ですか? もしかして魔王様は、何もしていないのに、図々しくも町の名前だけは決めたかったと? 魔王城ならぬ、魔王町(まおうちょう)とか言っちゃいたかったりしたんですか?」

「別に、そういうわけじゃないけど……」

 それにそれならそれで、魔王城ならぬ『魔王町』よりも『アスタウン』の方がいいし、ファンタジーっぽいし。

 ……いや、これは微妙だな。


「で、町の名前は何になったんだ?」

「はい。何だかんだで、いくつか候補を上げ、住民投票で決めることになったのですが、前・村長、現・町長が『ム~ラ村』という名前を大変気に入ってたみたいですので、その候補は、ネイドリームにお願いをしました」

 いつの間に。

 と言うかネネネに候補を上げさせたって、嫌な予感しかしない……。


「そして何だかんだの住民投票の結果、候補から選ばれたのは『絶町ぜっちょう

と言うことで、何だかんだでこの町の名前は『絶町』となりました!!」

 なりました!! と、声高らかに宣言するゲイル。


「どうしてネネネに候補を上げさせた!!」

 こうなるのは、分かっていただろうに。

 いや、こうなって欲しかったからこそ、ネネネを選んだのか……。


「ちなみに他の候補は?」

「かんちょうやら、きんたまちやらです」

「そ、そうか……」

 その中だと、確かに絶町ぜっちょうが一番マシな気もするけど。

 何だよ絶町って、ム~ラ村のムラムラが、欲求が、解消されちゃった感じか?


「まぁ、何だかんだで絶町クライマックスタウンと呼ぶ者もいます」

「へぇ……」

 まあ、それなら、魔王城に辿り着くための最後の町って感じで、ぴったりかな?


「何だかんだで――」

「あのなぁゲイル、その“何だかんだ”って言うのは何なんだよ、もっと簡潔に話せないのか?」

「完結ならしましたけど」

「え? 終わったの?」

「ええ、一応。ひとまず町自体についての報告は終わりました」

 後は、と彼。


「魔王様に対する町民の、住民のご意見ご要望などを少々。少々と言うか一つですが」

「俺に意見? 要望?」

「いや“不満”でしょうか」

「不満……?」

 何だよ、絶頂したくせにまだ不満があるのか、ムラムラなのか。


「俺、何かしたか?」

「お心当たりは?」

 ない。

 首を振る。


「原因は、ここら辺りにあるのですが」

 分からない。

 首を傾げる。


「もっと言えば不満と言うより、不安なのですが」

 不安、それは今朝、自分が起きていの一番に感じた感情だった。

 胃が痛くなるほどに。


「あ……」

 心当たりがあった。

 ここら辺りにあった。

 正確には、魔王城の庭にあった。


「あの花か」

 庭の、巨大な、花。


「そうです。突如として現れたあの巨大な物体に対して、植物体に対して住民は恐怖を覚え、今朝から駆除してくれとの苦情が殺到しております。何なんですかあれは、何とかしてください魔王様」

「いやぁ、何なんですかと問われても、何とかしてくれと言われてもねぇ……」

 引っこ抜く……のは無理だし。

 なら切り倒すか? ただそれだとミスって町に倒れた場合、間違いなく町は消え去るだろうけど……。

 それなら除草剤か? 効くか? それにそもそもそんなものはあるのか?

 と言うか、あの花、エメラダに貰ったものなんだよな。

 大切に育ててたんだよな……。


「う~ん……」

「こ」

「やめろゲイル」

 人が真剣に悩んでるときに。


「魔王様、ウメコとウ○コって似てません? と言うか、同じじゃありません?」

 そりゃそこを伏字にすれば同じだろうな……。


「だからやめろって、曲がりなりにもお前の妻だろ?」

「あんなものまがいものです」


「アスタマ……」

 俺とゲイルの汚い会話に割って入る、綺麗なエメラダの声。

 『アスタマ』って……何だその『カスタマー』みたいな名前。

 俺はお客様にサービスをする窓口か何かか?


「何でしょう?」

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