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異☆世界転生~愛すべきバカ共の戯れ!!~  作者: 高辺 ヒロ
第二部 異世界で暮らしま章      【魔王SUMMAR:夏】  
112/224

第佰玖閑 はぁ……れむの湯

 そして夕食後、ティアのお母さん、妖精の女王さんをトイレ……ではなく、風呂に呼び寄せ、口寄せではなく呼び寄せ。

 青髪の妖精ちゃんを見送り、今に至る。

 居間じゃない。風呂だ。


 風呂。

 25メートルプールと見間違えるほどの、大きな風呂。

 クゥ、ネネネ、俺、ルージュの順に、仲良く……かは分からないけど、湯船の中に並んで座る。湯の中に並んで浸かる。


「あぁ~今日も一日疲れたぁ……」

 まだクゥがいなくて、ネネネとルージュだけのときは『なぶる』の逆バージョン『女男女ぶなる』だったけど、そこにクゥが加わって、新たにもう一つ女偏が加わって出来た『女女男女』という無茶苦茶な漢字を何と読めばいいのかは、俺には分からない。


 何だろうハーレムとでも読むのだろうか『女女男女(はーれむ)

 そもそもこれは漢字というより既に四字熟語って感じだ。

 ならこの四字熟語の意味は『一夫多妻であること』になるのだろうか。

 今日はこんなことばかりを考えているような気がする。


 それにしても、一時はどうなることかと、一匹ではどうなることかと思ったけど、本当に助かった。

 人にも、人魚にも恩は売っておくものだな。

 それにティアを連れて来たことも幸いしたし。

 大量の魚を消費するのに、一役買ってくれた。

 と言っても、あの小さな体では、ほとんど変わりはしなかったけど。おかわりはしなかったけど。

 とにかく、今日は珍しく色々とうまくいってるような気がする。

 あの釣り大会、ネネネとルージュとクゥのことを除けば。


「あぁんまおーさま、女の子たちのお風呂を覗くだなんて、エッチですのっ」

「黙れ! 覗くも何も一緒に入ってるんだよ!」

「アシュタ、タッチなのだ」

 と、手を伸ばし俺の肩に触れる褐色少女。


「……っ!?」

 風呂で鬼ごっこでも始めるのか、鬼ごっこ大会が始まってしまうのか、と思ったけど、そんなことはなかった。

 そんなことよりも、大会で思い出したけど……。


「そういえば、釣り大会の結果はどうなったんだ?」

 隣に座っている、大会の主催者であるところのルージュに尋ねる。


「釣ったのは俺だけだったよな? ということは俺の勝ちで、俺は俺のもの。今晩は邪魔せずにゆっくりと寝かせて貰――」

「何を言っとるんじゃ? アスタ」

 寝ぼけとるのか? それともとぼけとるのか? いや、のぼせとるのか? と彼女は言う。

 妖しく微笑みながら。


「え?」

「あの魚はみんなで釣り上げたじゃろう?」

「え!?」

「のう年増」

 と、ネネネに振るルージュ。


「ええ、そうですわ。ねぇワンちゃん?」

 と、次はクゥに振るネネネ。


「わん! わん? うん? うん! ボクも一緒に釣ったのだ!」

 と、最後にしっぽを振るクゥ。

 やっぱりいつもどおり、こんなときにだけはしっかりちゃっかっり結託する、二体。更に一匹。


「全員で一匹を引き上げたんじゃ。つまり、引き分けと言うか、全員が勝ちじゃの?」

「な、何言ってるんだはこっちのセリフだ!」

 そんな滅茶苦茶な言い分が、通ると思っているのか。

 手伝っただけで、イーブンになるだけでなく、全員が勝ちになるだなんて、目茶苦茶すぎるだろう。


「と言うか、全員が勝ちって……てことはつまり俺を含めた全員が、今晩一晩、俺を自由に出来るってことに……?」

「そうじゃ」

「そうですわね」

「そうなのだ」

 と、プールでもないのに、25メートルプールみたいなだけであって風呂なのに、シンクロナイズドスイミングのように、見事にシンクロして頷く三人。


「そ、そんなのいつもと同じじゃねぇかよぉ!」

 疲れた日くらい、静かに落ち着いて寝させて欲しい。


「何をみっともない声を出しとるんじゃアスタよ」

「認めないぞ!」


「観念してくださいなまおーさま」

「勘弁してくださいよ!」


「みーんなの勝ちなのだ」

「分かち合うんじゃねえ!」

 無茶苦茶だ! 寝ぼけてるのも、とぼけてるのも、のぼせてるのも、こいつらだ!


「はーっはっはっはっは!」

「おーっほっほっほっほ!」

「にゃーっはっはっはっは!」

 結局、最後はうまくいかないのであった。


「最高だぁぁぁぁ!」

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