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更新遅くなって申し訳ございません!
本来平民が入れない場所、王立学園。
今、平民の立場になっている私は特例として入学した。12歳、異例ね。髪はボブ以上ショート未満。大きなメガネをかけて、口元は白い布で隠してある。声が高いことがバレないように。 瞳の色はレベル10まで到達した魔法で平凡な黒に変えた。私のオレンジと黄色の黄金色のような瞳は暗闇で深紅に変わるっていう謎の性質があるから。制服はもちろん男子用。そして今、学園の自習室で私は大いに困っている。隣のうるさい美少女をどうにかしてほしい。
「ねえ、イディくん。私の名前、覚えてくれた?メイニー・ブランシュよ。この学園でずっと平民一人っきりでやってきたの。仲良くしましょう?」
「ごめん、メイニーさん。僕はしばらく学業に専念したくて。友達とか、考えられないんだ」
私が三年生である18歳用の参考書を読みながら答えると、メイニーはぷくっと頬を膨らませた。まったく、みんな私のこの変な格好を見て近付いてこないから集中して勉強ができると思っていたのに、一人ぼっちは放って置けません、みたいな感じのスタンスでメイニーが関わってくるから、安心して勉強することもできない。論破するのもどうにかして変装を解いてルディシア・メリウェザーになってからが良いし。もういっそのこと先生に言おうかしら。そう思っていたら、メイニーがまた声をかけてきた。
「ね、イディくんって肌が綺麗よね。どんなお手入れをしてるの?私もそんな風になりたいわ!」
「何もしてません、ではまたいつか」
私はすぱっと切り捨てて自習室を出る。もう、今度から自習は自分の教室でするわ。寮だと勉強じゃなくて魔法の練習をするし、自習室だとメイニーさんがうるさいんだもの。
うるさいメイニーさんから解放され、せいせいしていた私は前方から来る一団に直前まで気付かなかった。校内でトップクラスの貴族令息が勢揃いだ。レオンお兄様にフェルお兄様とアレクお兄様、特例入学したデュー。それからメル様、レイ様、マックス様と……何だか冷たくてよそよそしい雰囲気になったヴィクト様。どうしたんだろう。いつも温かくて気さくな印象なのに。
私は廊下の端に立って挨拶をし、くるりと向きを変えて寮の方に向かう。同じ平民の特待生でも、態度が違うのね。可愛らしいメイニーさんにしか興味がないように見えたわ。まあ、そっちの方が良い。だって、私がルディシアだってことがバレなくて済むもの。
それはそうと、またあのむさ苦しい男子寮に戻るのね。私は辟易した。いくら一人部屋でお風呂も自室にあると言っても、食堂は男子生徒がお代わりを注文する怒鳴り声で満ちているし、本当に貴族なのかっていうくらいみんなマナーがなってないんだもの。そこに自分の兄も混じっているのが一番の恥ね。私はああならないようにしましょう。ならないと思うけど。
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