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Eva
もう覚えていない声色を夢の中で聞いた。
木漏れ日の中の優しい沈黙で、私達は黙したまま語り合った。
それが、恐らくは、私の一方的な思い違いに過ぎないとしても。
君の悪意に気付けない愚かな私の、思い違いに過ぎないとしても。
私は幸せだった。
どうか、私を許してほしい。
君の失望に気付けなかった私を。
私は愛されるに値しなかった。
私は生まれるべきではなかった。
何故私はあの日、あの場所で、死ぬことを選ばなかったのだろう。
私は弱く、愚かだった。私は私自身の怠惰と惰弱の報いを受けた。私は未だ生きている。
もう君の声を思い出すことはない。