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夏1

日差しの降る、夏の日のことである。

見慣れた気配に気づいて、私は目を開けた。


母親の首辺りまで背を伸ばした彼女が、数人の友人と駄弁りながら橋を渡っていた。

シワの多い制服と大人びた横顔に、成長の早さを知る。


「みーさってさ、ホントに海外行くの?」


友人のうちの一人が、彼女に聞いた。

遠慮しているような、気まずいような沈黙が落ちる。


「ちょっとゆーりん、何言ってんのー」


流れる沈黙を掻き消すように、彼女は明るく返した。凛とした、大人の声だった。


「元々考えてたことだし、私の夢にも丁度いいしねー」


茶化しているように見えて、真剣な答えだった。


「じゃ、私はここで」


橋を渡り終えたところで、彼女は戻っていく友人たちと別れた。

一人になった彼女は、一瞬だけ顔を曇らせた後、スキップで家路についた。


大きな期待と不安の入り混じる足音が、遠ざかっていく。

少しだけ夏の太陽を見上げて、私は再び目を閉じた。


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