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あとがき
以上が、私から見た彼女の全てである。
もちろん、書き損じた所や、不要だと思い、書かなかった所もある。
私自身が心に残った所だけを書き出したので、そこは許して欲しい。
私が彼女について、どう思っているかは、すでに記す必要もない。
あれから私は、橋を渡る気になった人間について、よく記すようになった。
長く続く時の中で、飽きのない趣味が出来たと言えば、聞こえはいいのだろう。
それでも私は、橋を渡る人々に寄り添い、彼らの日々を記していこうと思う。
特に大事な意味があるわけではない。
橋を見守る私が、そこを渡る人々について無知であるのが、恥づかしく思えたからであろうか。
本当の理由は、今でもはっきり分かっていない。
けど、理由なんて本当は無くてもいい。
徒然のままでいい。
今では、そう思っている。
そう思えている。
叶うならの、話である。
もしこれが、いつか誰かの手に渡り、その誰かが、彼らの命全てに想いを馳せてくれれば。
それならば、戯れで始まったこの拙い趣味にも、大切な意義ができると言う物であろう。
また誰かが橋を渡っているようなので、ここで筆を置くことにする。
最後に、彼ら全ての美しき人生に、尽きることのない敬意を。
二月下旬。
膨らむ梅の蕾に、春の足音を感じながら。




