第71回『謎 下水道 支払い』
YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第71回『謎 下水道 支払い』
の完成テキストです。
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約52分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=2J1WiQ2D3F0
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
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コンビニに入ると僕はカウンターコーヒーを注文した。
スマホで手早く支払いを済ませると、僕は熱いコーヒーを持って丘の方へと向っていった。
僕たちの町には古い時代の遺跡が数多くあった。
丘もその一つだ。
といっても丘にあるのは祭壇で僕はそこにコーヒーを捧げに行く神官というわけではない。
少し開けたそこにあるのは石造りの下水道の遺構だ。
僕はそこに腰をかけてコーヒーを飲むのが好きだった。
正確に言うと嫌な気分になった時に、だ。
少し息が上がった僕はいつも変わらないその景色に今日も安心した。
世の中は変化が早いはずだが、一度人々から忘れ去られるとどうも時間の流れは止まってしまうものらしい。
だから僕はここに来るのかもしれない。
ほとんどが朽ちていて、夏の遺構はすっかり草に覆われていた。
僕は中央付近にある少し突き出た石の上に座った。
ここは遺構と町と空が見渡せる僕のお気に入りの場所だった。
この遺跡は2000年以上も前に建設されたが、使われていたのはほんの100年ほどで、そのあとは放棄された。
どこからやってきて、なぜここに都市を築き、なぜ去っていったのか。
現代の歴史学では何一つわかっていない。
高い土木技術を持っていたとしか言うことのできない謎の民族だ。
歴史学者は同時代の石碑や遺跡を調べたりして解明しようとしている。
やれ大きな戦争があったのではないかとか、気候変動が原因だとか、他地域の民族の一部が流入してきただけなのではないかとかだ。
僕にも彼らがどんな民族であったかなんてわからない。
ただここの丘は町を一望できる。
ここから流れる下水はちょうど西に向かっていて、日が沈むように汚水は流れていく。
僕は嫌な気分になるたびにここに来る。
なんだかそれがヒントになるんじゃないかとも思えるんだ。
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~感想~
書きたくない陰鬱な話ばかりが思いつき、それを振り払うのに本当に苦労しました。
結果的に振り払えておらず厭世的なものになり、なおかつ内容もないです。
どうにも昨今の世界情勢に影響されている毎日です。
それでもとりあえず家庭の下水道の支払金額が上がった謎に関するような話にするのはやめようと思ってがんばりました。