第49回『団体戦 格付け 当たり外れ』
YouTubeで行った
ライブ配信にて三題噺を即興で書きました第49回『団体戦 格付け 当たり外れ』
お題はガチャで決めました。
お題には傍点を振ってあります。
所要時間は約35分でした。
詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓
https://www.youtube.com/watch?v=Vs8Ak6pKutk
↓使用させていただいたサイト↓
ランダム単語ガチャ
https://tango-gacha.com/
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僕たちのチームは幾度もの戦いを制して決勝戦へと駒を進めた。
誰もが来られる場所じゃない。
誇っていいことだ。
だが僕は落ち込んでいた。
その理由はチームの中で僕だけが今までずっと負けてきたことだ。
10戦10敗。
それも5本勝負のうち全て3本先取されてのストレート負け。
こんな僕でも決勝まで残れたのはこれが団体戦であり、他のチームメイトが勝ってくれたおかげだ。
完全に足を引っ張っていることに僕は後ろめたさを感じ、みんなといっしょに決勝に向けてミーティングに参加していることが恥ずかしくて仕方なかった。
すると、チームメイトのAが僕の肩を叩いた。
「ここまで来たらあとは勝つだけだ。がんばろうぜ。」
Aが屈託のない笑顔を向けたが、僕は伏し目がちにうなずくことしかできなかった。
「どうしたんだよ? 元気ないな。」
あんまり隠すのも変にAを心配させるだけだと思った僕は正直に話すことにした。
「そりゃあね。これまで僕だけが全敗だからね。」
僕は無理をして笑顔を作った。
「なんだよ、そんなこと気にしてたのかよ。俺たちは誰一人お前を責めたりしてないぞ。」
それはわかっていた。
僕のチームはみんないい人で、みんなお互いのことを思っている。
本当に信じ合える仲間だ。
「だからこそ勝ちたいんだよ。自分のためでなく、みんなのためにね。」
Aは僕の肩に手を回した。
「そんなのみんなだって同じだ。みんながみんなのために戦ってる。それが俺たちのチームだ。」
Aの目はまっすぐ僕に向いていた。
「それによ、これは団体戦なんだから相手によって当たり外れがあるじゃねえか。格付けしたらきっとお前だって弱くねえよ。」
「そうかな……?」
僕が顔を上げると、Aは力強くうなずいた。
「でもさA、これはじゃんけんの大会だよ? それを30連敗って、確率上ちょっとないよね?」
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~感想~
団体戦の競技種目に悩みました。
結果普通の大会ではないものにしようと思い、それでいて格付けやら当たり外れとも話が作れそうなものとしてじゃんけんの大会にしました。