表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

34/174

第34回『ヘルメット あてつけ 今更感』

YouTubeで行った

ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第34回『ヘルメット あてつけ 今更感』

の完成テキストです。

お題はガチャで決めました。

お題には傍点を振ってあります。

所要時間は約57分でした。

詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓

https://www.youtube.com/watch?v=DNtrs2snOFA


↓使用させていただいたサイト↓

ランダム単語ガチャ

https://tango-gacha.com/


~・~・~・~・~


──猫だ。

安孫子が車道に立ちふさがる猫に気付いてブレーキを踏んだときにはもう遅かった。

ロックしたタイヤはアスファルトを激しく削り、白煙を出した。

猫をよけようとしてハンドルを切ると、バイクはとうとう姿勢を維持することができなくなり横転した。

バイクは横倒しのまま火花を散らしながら道路を滑り、安孫子はなす術もなく空へと投げ飛ばされた。

安孫子は道路をおろし金にして壊れていく愛車を空から見ながら、飛び散るカウルの破片はあの色が気に入って買ったのにとか、せめてエンジンが無事ならななどと考えた。

保険について考え始めたとき、安孫子の頭に衝撃が走った。


安孫子は車道の脇に座った。

ずきずきと痛む頭を両手で抑えながら状況を整理した。

ここは人通りが少なく、誰かが通る様子はない。

バイクは壊れているが全壊というわけではない。

猫は無事逃げたようだ。

ここから10分ほど歩いた先にバイク屋があるから、安孫子はそこまでバイクを押して行った。


「すいませーん、そこで事故っちゃったんですけど。」

安孫子がバイク屋に入ると、彼の姿を見た店員はびっくりしていた。

「だ、大丈夫ですか? 病院に行ったほうがいいんじゃないですか?」

「だからここに来たんじゃないですか。バイクの病院にね。」

安孫子がウインクをすると、店員は引きつりながら目をそらした。

「で、どうですかね、バイクは?」

バイクを点検し始めた店員に安孫子は聞いた。

「詳しくはお預かりしてからということになりますが、ざっと見た感じでは直せると思いますよ。」

安孫子の顔はパッと明るくなった。

「本当ですかっ?」

「ええ、ただ新車を買った方が安くなると思いますが……。」

「それはしょうがないっすよ。気に入ってるバイクなんで。」

嬉しさのあまり安孫子が口笛を吹き始ると、店員はバイクと彼が手に持っている()()()()()を交互に見た。

彼の()()()()()は事故の衝撃で真っ二つに割れていた。

その無残な有様を見れば、事故を目撃していない店員にも彼が生きていることがありえない奇跡だということは充分にわかった。

「あの、ではサービスとして新しい()()()()()をおつけしましょうか。ほら、この最新のものです。」

店員ライダーたちにとっては有名なメーカーの安全性を最優先としたモデルをおそるおそる差し出した。

重量や閉塞感などの問題はありそうだが、頭を守ってくれそうな安心感は他のどの()()()()()にも負けないものだった。

すると安孫子はかんらかんらと笑い出した。

「いらないですよ。こんな立派な()()()()()いただいたって()()()ハンパないっすよ。僕への()()()()ですか?」

そう言って安孫子は二つに割れた()()()()()をそれぞれかぶった。

「ほら。二つに割れた僕の頭には、この二つに割れた()()()()()がちょうどいいんですよ。」


~・~・~・~・~


~感想~

あてつけは恋愛方面で使うのはやめようという方針をまず立てました。

それからヘルメットをどういうものにするかを考え、バイクのヘルメットにすればあてつけを当てるという流れで使えるかもと思いました。

バイク事故の話にしたのはそのためです。


頭を両手で抑えるという描写はオチの伏線なのですが、伏線はこれだけでは足りないのでもうちょっと増やした方がよかったなと思ってます。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ