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第117回『お正月 荒唐無稽 刀鍛冶』

YouTubeで行った

ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第117回『お正月 荒唐無稽 刀鍛冶』

の完成テキストです。

お題はガチャで決めました。

お題には傍点を振ってあります。

所要時間は約1時間17分でした。

詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓

https://www.youtube.com/watch?v=DGhsWTwMyDo


↓使用させていただいたサイト↓

ランダム単語ガチャ

https://tango-gacha.com/


~・~・~・~・~


YouTubeで行った

ライブ配信にて三題噺を即興で書きました 第117回『お正月 荒唐無稽 刀鍛冶』

の完成テキストです。

お題はガチャで決めました。

お題は太字にしてます。

所要時間は約1時間17分でした。

詳しくは動画もご覧いただけたら幸いです。↓

https://www.youtube.com/watch?v=DGhsWTwMyDo


↓使用させていただいたサイト↓

ランダム単語ガチャ

https://tango-gacha.com/


~・~・~・~・~


備前の国のある村に留吉と熊五郎というたいそう腕のいい()()()がいた。

彼らは生まれも育ちもこの村であり、年齢も近かったこともあり、幼いころから何かにつけて競っていた。

背比べ、駆けっこ、学問など、どんなことでも二人はお互いの顔を見るたびにこいつにだけは負けてないぞと思い、勝つために血のにじむような鍛錬を重ねた。

勝負こそいつも引き分けであったが、おかげで二人とも壮健な肉体に広範な学を宿す立派な青年に成長した。


15のとき留吉は家の農業は弟たちに託して、自分は村の()()()に弟子入りをした。

それを聞いて負けてなるものかと熊五郎も同じ()()()の元へ弟子入りをした。

二人のライバル意識により切磋琢磨され、二人とも22を過ぎるころには師匠から独立を果たした。


しかし、それぞれ自身の工房を開いても互いに競う二人の毎日は変わらなかった。

勝負の内容がどちらがより良い()()()であるか、に変わっただけだった。

彼らはより素晴らしく、より美しい刀を作るために、客からどんなに称賛されようと研鑽を怠らなかった。

その努力は盆も()()も続けられた。

その甲斐あって二人とも天下に名のとどろく()()()となった。

しかし二人ともそれに満足はしていなかった。

幕府からいただいた刀の格付けが、二人とも同格だったからである。


そんなとき二人の村にとある噂が走った。

ある若い女性が()()()に嫁入りしたいがために各地の工房を訪ね歩いている、と。

だが彼女を満足させる工房はなかなかないらしい。

その女は刀を見せてもらっては嫁入りしたいほどの工房ではないと見切りをつけ、そしてとうとう隣村にまでやってきて、この分だと二人の村に来るのも時間の問題だった。

留吉と熊五郎は話した。

「女が()()()の嫁になろうとしているって話、聞いたか?」

「ああ。()()()()に聞こえるが本当らしいな。」

「どんな奴なのか、隣村までちょいと見に行かねえか。」

「そりゃあいい。さっそく行こうぜ。」

自らの目で刀を見て嫁入り先を探す目利きぶった女を二人は笑ってやるつもりだった。

しかし隣村まで行き、ある()()()の刀を見て首を横に振っている女を物陰から見て二人は驚いた。

その女がたいそうな美人だったからである。

作刀に没頭するあまり嫁を取ってこなかった二人はつばを飲み込んだ。

「よし、どちらがあの女から嫁にもらってほしいと懇願されるか勝負だ。」

「ああ。受けて立つ。」

二人は相槌を打った。


数日後、二人の村に例の女がやってきた。

二人は広場に藁を敷いて、刀を一本ずつ置いた。

どちらも幕府から絶賛された名業物だ。

刀剣の目利きなら、この刀に心を奪われないはずはない。

女がどちらの刀を選ぶのか、村の人たちも興味津々、たちまち刀の周りには人だかりができた。

二人は公平を期すためにその様子を遠くから見ていた。

すると村人から案内された女が人波を縫って現れた。

女は二人の刀剣を見た。

二人は息を飲んだ。

「なんて美しい刀! これこそ私が求めていたもの! この刀を打った方はどなたですか? ぜひとも私をもらってください!」

二人は拳を握った。

とうとう女を認めさせた。

しかし女がどちらの刀を選んだのかわからない。

二人は女の前に躍り出た。

「右の刀は私が打ったものです!」

留吉が言った。

「左の刀は私が打ったものです!」

熊五郎が言った。

やっと運命の人に巡り合えたと、女はほほを紅潮させながら振り返った。

そして二人の顔を見た。

先ほどまでの美しい顔が嘘のように途端に女は眉間にしわを寄せ、地面につばを吐いてその場を去っていった。

幼いころから互いの顔を見るたびにこいつにだけは負けてないぞと思った二人の今回の勝負は再び引き分けに終わった。

あまりにも気の毒な結末に村の人たちがなんて声をかけたらいいかと互いに顔を見合わせていると、二人の怒鳴り合う声が聞こえた。

「このつばは俺のもんだ!」

「いいや、俺になめさせろ!」

二人は女が地面に吐いたつばをめぐって、はいつくばって舌をのばしながらつばぜり合いを始めた。


~・~・~・~・~


~感想~

落語のような語り口で書こうと思っていたのですが、結局普通になってしまいました。

書いててわからないことだらけだったので苦労しました。


つばぜり合いというオチは決まっていたので、書きながら隙あらば鍛錬や相槌など刀を連想させる言葉を入れていきました。

今思うと、鎬を削るやそりが合わないなども入れればよかったなと後悔してます。


117回目のライブ配信が1時間17分という奇跡。

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