第四話 GW、久しぶりに友人と会ってきた話
五月のゴールデンウィーク。
しょっぱなから自転車がパンクしてしかも「前と同じところが破けているから次はチューブ交換することになるかも」と言われ、実際自転車を置いていただけで空気が抜けてやっぱりチューブごと交換したりと面倒が起こった連休だったが、その最終日間近に友人と会ってきた。
その友人と会うのは実に八年ぶりの話。
前回は某新劇場版の映画を観た時だったりする。奇しくも去年完結したあれだ。
その頃自分の体重はまだ百キロを超えていて、骨を折ったことも手術も入院も経験していなかったのだ。
だがその後ばたばたと悲劇が続いてその友人には脳梗塞直前に「もしこのまま死んだら後は頼む相棒」と残し、彼自身もお母さんが亡くなっていたり大変な時期だったのに余計な心配をかけていた。
そして自分の体重は今七十キロ前半、もうちょっとで六十キロの壁も見えてきたが最近間食ばっかりしてその壁が遠ざかりつつあったりするのだが、まあそれはどうでもいいか。
会おうと言われて近所の喫茶店を指定された自分は、時間前にまず近所のブックオフに出かけて野暮用をすませてからその店に向かった。
ブックオフを出た時確か二十分前なのでさすがに焦ったのだが、結局先に着いたのは自分だったらしい。
内心では「にしし、やせ細ったこのボディを見たらさぞや驚くぞR(仮名)のやつ」と思っていたのだが、さあ八年も経っているので相手もどう変化したかそれは気になる。
以前共通の知り合いのMという奴が短期間で急激に太ったことがあって「どうしたの!?」と「お前はこっちに来るなよ」という思いを込めて驚愕したことがあるが、まさか彼に限ってそんなことはあるまい。
そして久しぶりに会ったRはちょっと白いものが混じってミドル感を漂わせてはいたが、そう変わった気はしなかった。
向こうの反応は淡白で、驚かせてやろうと思っていた自分の目論見は見事に外れた。
連休の喫茶店はものすごい混雑の仕方で、結局席を取るために予約してからもしばらくは立ち話を続けることになった。
これも密の内じゃないのかなあと思いながら懐かしんで色々話したが、ようやく席に着いたのは結局三十分くらいは経った後だった。
その後Rの奥さんNさん(仮名)も合流して再会。
さすがに彼女は自分の体型変化に敏感に反応していたが、それでも驚くということは特に無かった。
この二人から聞いた反応はこれが全てである。
しかし話を聞けばあちらも色々あったようで、別に人生の大苦難の日々だったのは自分だけではなかったらしい。
人生の分岐点となる年齢で、多かれ少なかれみんな経験していることなのだ。
それにしてもまだぎり四十代夫婦が終活を口にした時は早すぎないかという気もしたが、準備としては早くはないんだろうなと思う。
うちの母親も早すぎはしなかった実際はおそすぎたくらいなのだから。
自分は遺す物も人もいないのでもうどうなろうと知ったことじゃないけどさ。
というわけで久しぶりの再会は無事終わった。
喫茶店なのでケーキセットを食べ(奢ってもらっ)たが、飲み食いするということはマスクを外すということだと改めて気づいた。
聞けば二人共コロナ罹患済みらしい。
毛も抜けたとか。治ったら毛は戻ったらしいが。
自分は毛が生える速度が異常に早いため、実はハゲに憧れている。
髪を切らないですむなんて天国だから。
だが一時的なら意味は無いか。
Rがコロナにかかった経緯は以前聞いたのだが、やはりマスク大事なんだなとわかった話だったので、余計マスクを外すのは憚られた。
病原菌扱いするみたいでごめんと先に謝っておくしかないが、しかしそれくらいは警戒したほうがいいのだろうな本当は。
結局その後も全く変化はないのだが、こういう隙が大きくなれば可能性も上がるのかもなあと教訓にはなった。
ワクチンは射ったほうがいいよと口を酸っぱくしてお説教されたが、今もワクチン射つ機会はないですさーせん。




