第五話 欠番(前書き参照)
諸般の事情を鑑み、この回は前半の枕話のみで後半部分は欠番ということにしておきます。
いつか完全に笑ってすませられる話になれば公開します。
以前脳血管の検査をするため、右手肘裏からカテーテルを挿入した話をした。
その話の後日談をそろそろしておきたい。
ぐりぐりされて痛い検査だったが、実はその後も結構地獄だったのだ。
検査後出血を止めるために患部にプラスチックの透明板をつけられた自分は、関節を曲げないように指示された。
その後病室に帰った自分は夕飯を食べ、そのとき右手を使ったのだが、どうしても関節を曲げてしまう。
おかげでこのプラ板が食い込んで痛いのなんの。
散々姿勢で苦しんだせいで、関節を曲げないようにという指示を半端に聞き流していた自分は、指示とプラ板を無視して思い切り関節を曲げていた。
このことを思い出したのは、ずっと後になってからのことだった。
その板はとにかく不快で痛く、早く外してほしくて仕方なかったが、結局翌日になるまでつけられたままだった。
やっと看護師が外して解放してくれたのはいいが、その後も右手を動かすと微妙に痛みが走る。
わずらわしいことになったものだ。今思うと半分は自分のせいだったのだが。
それから数日してSCUに上がった自分は、血圧を計る時だったか体温計を挟む時だったか、看護師に異変を発見されて自分でも驚いた。
右手前腕に大きく内出血ができて、痣のように青くなっていたのだ。
しかもカテーテルを挿入していた部分はごりごりと固くなっている。
ずっと右手に鈍い痛みはあったが、ここまでとは思っていなかった自分はさすがに青ざめた。
夜だったこともありすぐ医師に見せられなかったため、看護師さんは黒ペンで縁取りを始めた。
内出血が大きくならないかチェックするためらしい。
その後チェックしたら内出血は徐々に下方に下がって、書き込まれた点線からずれていたが、大きくはなっていなかった。
結局医師はただの内出血と判断。
問題があると麻痺で指が動かなくなったりするらしいが、そういう問題は起こっていない。
ただ内出血は二週間ほどそのままだとか。
結局その痣は退院後しばらくは青く残ったが、いつしか縮小して一時部分的に傷んだバナナのようになっていたが、さらに数日すると気づかない間に跡形もなく消えた。
手の固い部分も今はすっかり元通りである。
ただ痛みだけはじわじわと長く苦しめてくれた。
だが今となっては思い出そうとしても、もう記憶が曖昧である。
第一部を書いている時はまだ痛みもあったはずなんだが。喉元すぎれば熱さ忘れるとはこのことか。




