労働基準法を守れないのは、あなたのせいじゃないんですか?
この物語はフィクションを含みます。
たぶん。
本当に腹が立った時、人間はおかしな行動をします。
のんびり死体は、更衣室のロッカーに話しかけていました。
「なんで定時で帰っちゃいけないのさ」
定時というのは定時です。
誰が何と言おうと定時です。
お給料をもらうために、こっからここまで働いてねって、あなた言ったじゃない。
私、あなたということ、信じてたのに。
なのになんで、帰る間際に仕事頼むの。
明日でいいですかって聞いたら、嫌そうな顔するの。
馬鹿なの。
時計見えないの。
超うざいんですけどー。
じゃあさ、言わせてもらうけれどさ。
僕がお給料もらってから、あと少し頂戴っていったらくれるの。
くれないでしょ。
なのになんで、あと少しだけ働いてっていうの。
残業は申告制で、短時間だと申告することを嫌がるの。
もう怒ったから。
あれも言っちゃう。
こないださ、関西で地震があったの。
電車も全部止まったの。
ずーっと歩いて仕事場に行きました。
定時に3分遅れました。
「時間申請してね」
別に怒られたりはしませんでしたよ。
仕方ないし。
でもきっちりお給料は再計算しなおされてます。
あのさ、馬鹿なの。
どんだけ必死こいて、会社に行ったと思ってるの。
こっちが毎日どれだけ残ってるか知っているの。
えっとね、のんびり死体は怒ってるの。
だからもう許さない。
「労働基準監督署にいうからね」
みんな必死こいて止めてきます。
なぜ止めるの。
「世の中は皆の我慢で成り立ってるんだよ」
へぇ、ただ働きをすることを、我慢するっていうんだ。
「職場が無くなって大変な思いをするのは自分だぞ」
へぇ、残業代ちゃんと払うと潰れるんだ。
定時守らせると、仕事まわらないんだ。
会社の経常利益、凄いことになってるんですけど。
最高益って、社内報でみたんですけど。
のんびり死体は影口を叩かれます。
あいつは、正直人間が小さいよ。世の中わかってない、おこちゃまだよ。
そうかなぁ。のんびり死体は人にそんなこと、させたことないけどなぁ。
それって小さいんだ。おこちゃまなんだ。
いいよ。好きなように言いなよ。
のんびり死体は辞表を叩きつけます。
嘘です。
役職者ではなかったので、退職届です。
転職先は厳選し、公的な仕事につきます。
のんびり死体に死角はありません。資格があるからです。
ここでなら、そんな理不尽なことは起こるまい。
・・・え。偉い人が帰るまで帰っちゃいけないんですか。
理由は。
当たり前だから。
なにそれ、お前それ、マジで言ってんの。
飲み会あるときは休日でも出て来いって、お前、正気か。
ここで気が付きます。
労働基準法なんて、嘘だったんだって。
でもそれだけじゃないことにも気が付きました。
のんびり死体は冴えたナイスガイだからです。
労働基準法を嘘にしているのって、本当は普通の人じゃないかって。
法律が、嘘でもいいよーって言っているわけじゃないのです。
普通のオジサンやオバサンが、「それくらいやって帰りなさいよ」って言うから悪いのです。
社会人2年目くらいが、「社会の厳しさを教えてやるぜ」って、調子こくからダメなのです。
メガネのお姉さんが、「あら、残ってくれるの」って、甘く誘うのは魅力的です。
ごめん、ちょっと本心がこぼれ出た。
メガネのお姉さんが言ってることも、もちろんダメピッピです。
今やのんびり死体も、ロマンスグレーのポマードで、葉巻の似合うちょい悪オヤジです。
嘘ですけど。
でもって、ここに宣言します。
こっちは本当です。
のんびり死体の宣言です。
『定時で帰る人に、「ちょっとこれ、やってから帰ってよ」とか僕は絶対言いません。』
なぜなら、それがのんびり死体の考える、大人だからです。
非常事態とかは別にしてですよ。
人が倒れているのに、知らんぷりするとかは、それは無いですよ。
でも、毎日毎日残ってね、あれやっといてね。夜だけどお願いねとか。
残業代も碌に出さないくせに、出しても30分刻みとかするくせに。
23時に帰れたらいいけど、24時になったら終電ないじゃないのよ、あなたってホント馬鹿。
毎日毎日そんなこという人は、計画性のないうんこ丸だし太郎くんです。
マジ、にこにこぷんぷん丸です。
ふぅ。
ここで提案です。
あなたも宣言してみませんか。
僕は割と、大切な話をしたと思うのです。
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※のんびり死体からのお願い。
できたら、定時で帰ろうねって、皆に言ってほしいのです。
そのため、この作品については、のんびり死体は著作権フリーとかいうのにしたいのです。
自由に改変してもらってもおっけーです。
居酒屋のトイレとか、会社のコラムに貼ってもらえたりしたら嬉しいです。
どうすればいいか、アイデアも募集しています。