人魚、出会う。
湖にキラキラと太陽の光が差し込む。
もう何日経ったのだろうか。
水の中の光のカーテンは何回見ても飽きないし、とても綺麗で朝が気持ちよく起きれるから好きだ。
「ふぁぁ〜、おはよーケルピー。」
─おはようございます。スイ様。今日も良い天気でございます。─
今は慣れたが人魚になってからは戸惑うことばかりだった。
例えばどこで寝るのか、何を食べるのか。
もちろん湖の中なのは分かったが寝方がどうも思いつかない。
「ねぇ、ケルピー…」
どう寝るのか聞こうと振り向いたらすでに人間時代のようにベッドのような物が完成していた。
─スイ様、元は人間だったとお聞きしたので、ベッドをご用意させていただきました。必要な物はこのケルピーに申し付け下さい。─
ケルピーの仕事の速さに驚きつつもこれで寝床は確保された。
あとは食料の問題だ。人魚になったからといって虫やプランクトンだなんて遠慮したい。
「ねぇ、ケルピー。食事ってどうすればいいの?」
─この森は果物、木の実など豊富にあります故申し付け下さればご用意しますよ。─
虫とか言われなくて一安心だ。
果物が何があるのか動物達に聞いたら嬉々として毎日の食料係になってくれた。
そして現在まで空腹にも寝不足にもならず健康的に過ごせている。
異世界に来てから変化したのは足だけではなかった。最初は真っ黒な腰までの黒髪がだんだん色素が抜けていき今は金に毛先が黄緑色の髪に、黒い瞳は水色へと変化した。
日に透かすとキラキラする髪がとても綺麗でお気
に入りになった。
そんなこんなで私が世界に馴染んできて、地上に居ることも多くなった。
地上にはいつも代わる代わる動物達が遊びに来てくれる。
特に仲良くなったのが白兎。モフモフしてて可愛くておしゃべりがとっても楽しいのだ。
(スイ様!スイ様!!見てください!とっても美味しそうな木苺を見つけたのです!一緒に食べましょ!)
「わ!すごく甘い!!美味し〜!」
そんなほのぼのした空気の中、突如ピリッとした空気に変わった。
草の上に座っていた私の後にケルピーが現れた。
─スイ様。湖へお戻りください。お早く!!─
いきなり湖に押し込もうとするケルピーに何があったのかと聞こうとした時だった。
カチャンっ
久々に聞く金属音のする方へ視線を向けた。
すると木の間から人影が現れ、光が当たった瞬間私の動きが止まってしまった。
キラキラとまるで朝日に照らされた雪原のように輝く銀髪に、宝石のような緑の瞳。
「綺麗……あっ!!」
見惚れている場合ではなかった!人に見つからないようにと言われていたのに!
現れた青年をチラリと見ると目を見開いてこちらを見ていた。
「……人…魚…?」
ごめんなさい。ウンディーネ。
見つかってしまいました…。