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桃色ノスタルジィ  作者: ぬー
第惨怪〜住めば都は地獄にも〜
10/30

硝煙・荘園・SHOWEND

今も轟々、余韻は鼓膜で回り、目と目、見つめ合う、なんだかロマンチック、そんな乙女心かお茶目心か、こんな時にもマイペース、それは私の短所か長所、カタカタ、どこかで何かが揺れた、木製の何かが揺れる音、ズンズン、と重低音、鬼が凛々しく歩く音、幸か不幸かこのタイミング、鬼の行進地平線に一盛り、目を合わせる、これまたロマンチックだネ、こんな時にもマイペース、それは多分私の長所、飛び出す、地面を蹴る音が後ろでバイバイって、便利な世の中になりました、変な世の中にもなりました、空を夢見た人々遠く過去、今や刀で空を飛ぶ、片翼、それで十分、イマドキ ガール スカイライン、到着は斬撃を伴って、着陸予定地次々変更、少女、飛行する開拓機械となりかわる、えい、また一振り旋回を、鬼を切るつもりだったのに、切っていたのは火炎だった、ふと目をやる、あのコの弾丸線、なぎ払う山々、火炎が線路のように続くよどこまでも、飛行線よりも速い車線、一弾一刹那に遥か遠く地平線、残り物は火炎、でもやっぱりこれにも福がある?負けてられない、回るや回るこのカラダ、飛ぶや飛ぶ飛ぶ斬撃が、まるで花火のように散り開く、二人作る花火はきっとキレイでしょう、当人はただただ回るや回る、いつもより多く回っております、そんな独り囃子で独り回る、気づけば平地開拓あと一歩、ゴルフ場にするにはあまりに草が少ないネ、だから古き良き空き地でもこしらえましょう、温故知新、あのコの曰く、過信しすぎりゃ歴史が繰り返す、新時代 イン ザ スカイ、なら私が園芸でもしてみようかな、斬撃抜かす火炎の熱、無言で私の意見を否定、こりゃ酷だね、土地の奪い合いは現代人の好むところ、予定変更、焼き畑農業でも始めましょうか、一次産業 イン ザ ヘル、きっと麦も米もできないでしょう、ラスト一山、これは譲れないよね、奪い合いそのものが現代人の好むところ、イマドキ女子は裏で算段表で演技、そして時は今満ちた、遠く私の部屋、あのコの手元より使者が一発、闘争心剥き出しに、今こそ見せろ猛禽類の性、火炎がなぎ払ったのは大地、焼き畑農業、しすぎりゃただの自然破壊、まあ地獄には自然がないのが自然ですが、半歩分で私の勝利、してやったり、中指は心の中で立てましょう、つくろうのは笑顔、立てる指は中指と人差し指、ピース、外向きを嘘で固めるのもイマドキ女子の嗜みよ、悲しいね、現代人の性、ついでにウインクしとこっと、さらに自虐にはしる独り芝居


「やい、お前さんもやりよるね」


向こうも作る笑顔、笑顔VS笑顔、舞台裏じゃドロドロ情報戦、暗殺者たるもの知的たれ、負けるわけにはいかないでしょ、数ミリ数ミリ、少しあげる口角、まぶたの下の目は笑ってない、心から笑えるモノ、数えるほどしかないもんね、なりそめはそんなものでしょ、自分をさらけ出せるようになって、初めて友情回線開通よ


「アナタこそ」


シンプル イズ ザ ベスト、スキは見せられないから、無難な言葉だって火花散る


「しゃあない、成り行きとはいえ共闘したんだ、休戦するかい」


表向き、歩み寄り、舞台裏、目標に接近


「そうね」


表向き、仲直り、舞台裏、挑戦状受理


「私の名前はカエン レナ、化ける宴に命令の令に奈良の奈、化宴 令奈だ、もちろん偽名だがな」


銃を投げ捨てる、今は一時休戦、私も別に戦う気はない、ユキカゼを投げ捨てる


「イテッ⁉︎何しやがる⁉︎」


ブツブツ文句を連ねる外野は一発退場、ついでに一蹴り、チラと覗かせろオンナの黒さ


「よろしくね♪」


右手を差し出す、もちろん顔は笑顔キープ、ありゃ、私いつの間にこんなに嘘が上手くなったの、ふとそんなことがよぎった、唐突に手首を掴まれる


「……脈拍、血糖値、コレステロール値、全て健康的だな、実によろしいことだ」


突然何を言いだすか、臨戦態勢、手を振りほどく


「脈をとっただけでそんなにわかるの?」


声のトーンは威嚇モード、持て余すのは疑いの矛先、このコは敵か味方か、今になって混乱混乱


「ああ、わかるとも……左利きなもんでね、すまなかった、右手を差し出されたら右手で測るのが礼儀だよな」


このコの発言の8割は理解不能、とりあえず、うん、一つうなずく、向こうも笑顔、まあ、いいや、とりあえず友情でも育むとしましょう、イマドキ女子は、わけわかんない方が好きになる


「お昼、一緒する?」


これは魔法の合言葉、この一言で女子は結束を固め、ついでに糖分摂り過ぎる


「ああ、もちろん」


NOはない、そりゃもちろん、それじゃ少し内股を意識して、歩幅狭めて歩きましょ、トテトテ歩く二人と影、ランチタイムにタイムはなし、イマドキ女子は食欲旺盛



「おいちい〜♡」


令奈ちゃん悶絶


「食べなから喋るのはやめたまえ」


ノマちゃんやっぱりお姉さん属性


「また太っちゃう!また太っちゃう!嗚呼、まるで私は食卓のブラックホール♡」


シチューを鍋三つ分、ガーリックトースト83枚、海藻サラダ8皿、狂気的はたまた猟奇的、私と同じくらいのカラダのどこにそんな胃袋が、果てなき宇宙、それを連想させる食べっぷり


「食うねえ、太れ太れ、切り分けてしゃぶしゃぶにでもしてやらあ」


すっかり上機嫌なのは地獄の誇るコック、ユキ アイゼン、すんなりブラックジョーク、これまた吸い込まれる先ブラックホール?やんややんや、卓上行進曲は箸の音、指揮棒はスプーン、カチャカチャ音はメロディー、そこに飛び込む不協和音、どんどん、ドアを叩く音、はーい、そう返事をして向かうゆ鬼ちゃん、これは将来いいお嫁さんになるなあ、そんな私のスケベオヤジ目線、開いたドアその先に、なんだか見慣れた棒状のモノ


「てめええええええ!」


電光石火、飛び込んで、さやはまだまとったまま、ユキカゼ、私に体当たり


「痛っ⁉︎なによいきなり!」


抗議の言葉は確固たる、乙女を傷つけるもの、人にあらねど腹をくくれ


「なによ、とはなによ!お前がほっぽり出して蹴り飛ばして、挙句の果てにや置いてけぼりだ!人使いが荒いぞ!」


なんだかオカマ口調、もちろん刀には性別はないけれど、そういえば私がほっぽり出したんだったっけ、乙女の戦い、その間に入るもの、等しく命はないと思え


「人使い、ってアナタ刀じゃない」


ボケてないときのツッコミは中々刺さる、涙が出せたら泣いただろう、でもどうしようもないから、ただひたすらに悔しくって跳ね回るだけ


「鬼!悪魔!社畜!」


トゲのような言葉が飛び出してゆく、向かう先はどこへやら、私にはチクリとも刺さらないわ、そんな余裕を見せつけて、主導権は私が握っちゃう、アメとムチ、それでアナタを手なづける


「どちらかっていうとアナタの方が社畜属性よ、ほらほら、ゴメンって、撫でてあげるから許してね」


撫でる、撫でる、トゲはもう弾切れか、こうやってがさつに扱えるのも信頼してるから、こうやってすんなり優しくできるのも信頼してるから、流石にこの事は言えないのは信頼してるから、恥ずかしいもんね、イマドキ女子には、昔っからの乙女心が遺伝してる、命短シ恋セヨ乙女、恋心はいつかのためにくすぶらせておこう、今はこの瞬間瞬間、乙女心をさらけ出そう、こうやって愚なままに生きられるのも、周りが愛おしいから


「おかわりーーー!」


女子会は踊る、されど進まず、でもこれで本望、イマドキ女子は、友情の価値を誇大評価、もちろん友情の価値は無限大

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