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ショートショート12月~3回目

0/1理論(ゼロイチリロン)

作者: たかさば
掲載日:2022/12/04

 ……人の歴史に、数値あり。


 有るものを数える。

 有るものを数字で表す。


 数字という考え方は、人を発展させた。


 数を使い、物質を管理する。

 数を使い、生活に利用する。


 数字を使うための、計算という技術が生まれた。


 数字を使い、予測をする。

 数字を使い、答を出す。


 数字を使う上で、人は足りないものに気付いた。


 数字は、有るから使うものである。

 数字は、無いものには使えない。


 無いものを表す数字がない。


 無いものがあれば、有るものと比べることができる。

 無いものが有れば、有るものが無くなることがわかる。


 ないものをあらわす、0が生まれた。


 人にとって、0の発見は偉大であった。

 人にとって、0の発見は分岐点であった。


 0を使い、人はあらゆる事象を計算した。


 有るものが、0になるまでの過程。

 有るものを、0にするための方法。


 人は、0に傾倒した。


 有るものとないものが、人を夢中にさせた。

 有るものと無いものが、人を育てた。


 人は、0なくしてはいられなくなった。


 有るものと無いものが、人に制約をかけた。

 有るものと無いものが、人の未知を阻んだ。


 0は、可能性をも無いものにしたのだ。


 有るものと無いものがある、その考え方に囚われた。

 有るものと無いものが有る、その考えのもと答えを出した。


 0を使うことで、可能性を無にしている。


 無いという思考は、宇宙にそぐわない。

 無いという思考が、宇宙との関わりを削ぐ。


 宇宙には、すべてが存在している。


 あるもの、ないもの、すべてが存在している。

 宇宙で発生した事象はすべてあるものである。


 ゼロという考え方は、宇宙においては戯言だ。


 無いという考え方で、有るものを見ようとしても見えまい。

 無いという判断ありきの計算式を使っているうちは…見えてこないだろう。


 0を使って有るものを判断しているうちは、宇宙へは進出できまい。


 数にこだわる、人ならではのさだめなのか。

 肉体という限られた器を持つ、人ならではの宿命なのか。


 人の生み出した数字という仕組みだけで判断しているうちは、宇宙を理解できまい。


 人は、未知を知るための心構えができていないのだ。

 人は、未知を知るうえで不要なものを手放せないのだ。


 人は、自ら枷にしているものに気がつけない。


 真に、遺憾である。

 実に、残念でならない。


 宇宙で発生する前の事象は、無いものではないのだ。

 まだ発生していない事象は、まだ発生していないだけなのだ。


 宇宙において、発生することは在ることである。

 新しく発生することは、宇宙ではすべて受け入れられる。


 ……人が、0を手放す日もいつか発生する。


【可能性はゼロではない】・・・いい言葉だ。


 だがしかし、私は0という数字を使っていることに不満を覚えるのである。


 長く人を研究した結果、私もまた0に囚われ始めたのかも、知れない。


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― 新着の感想 ―
[良い点] 久しぶりに数の世界へ [気になる点] 何かやりますかねえ。と言いながらなかなか書けない [一言] 卒論で0と1を捨てたのは良い思い出
2022/12/04 21:49 退会済み
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