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壊闢のエバーノーツ   作者: えんどう/まじめ/teil
8/12

第一話 「動き出す夢」――⑧

「うおおおおおおお!!!カイトブレーーーード!!!」

大上段に振りかぶられた剣が振り下ろされる。

対し、左右から接近する輝く刃。

どちらが速いか紙一重―――という逼迫した瞬間、相手の手が一瞬止まる。

開斗の手は、止まらない。

――今はもう、この剣を振り下ろすだけだ!!!

「マキオ!!!クレイモアだ!!!」

「うるっせぇ!!!わかってんだよ、愚図が!!!」

マキオの言葉と共に、攻撃モーションは継続したままにバクン!と音を立ててナイトストーカーの肩部が開く。

そこに埋まっているのは、秒間1000発のベアリング弾を巻き散らすナイトストーカー最強の対超近接殲滅兵器。対人地雷――クレイモア!

「死ねぇええぇぇぇえええ!!!」

「開斗!!」

振り返る百悔に目もくれず、開斗は真っ直ぐにカメラの先にいるナイトストーカーを見据えていた。

――不思議だ。驚くほど、視界も、思考もクリアに感じる。

敵の両肩から巻き散らされるベアリング弾は、あっという間にカイトカイザーをハチの巣にするだろう。

そのうえ、左右から迫るビームダガー。どちらももう、避けようがない。

――否、もとより、避けるつもりなど、ありはしない!!

「いい!!!突っ込む!!!」

次の瞬間、視界が銀色の弾丸で埋め尽くされる。

一瞬遅れて衝撃。SRを通じて激しい振動が伝わる。

左腕の肘関節が吹き飛び、腰部の前面アーマーが粉々に砕かれる。

しかし、開斗は――カイトカイザーは止まらない。

相手が自分の予想を上回る武装を見せるなら――自分は、さらにその上を魅せてやる!!

踏み込まれた右足が、力強くアスファルトを踏み割る。

左右から迫る刃が、機体を切り裂くより速く。大量のベアリング弾に晒された機体が、瓦解するよりなお速く!!

カイトカイザーの実体剣が、漆黒の機体を一刀のもとに斬り伏せる!!

「―――!!??!?!?」

マキオの断末魔の悪態が声になるより早く。ナイトストーカーの爆音が、SR空間に響き渡った。

――即ち。

「おめでとう!!開斗、キミの勝ちだ!!!」


―――⑨につづく。

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