02 リシェル
私たちチームモノカは、ぶらりと立ち寄った某国の人里離れた平原でのんびり野営しておりました。
仲間たちとの午後のお茶を楽しんでいた私の前に突然『転送』で現れたのは、元気いっぱいのキュートな娘さん。
「こんにちは、モノカさん、皆さん」
「今日からチームモノカ担当連絡官となりました、巡回司法官のリシェルです」
「これからよろしくお願いしますっ」
突然寿退社しちまったメイジ・セルマ夫妻に代わって私たちの新担当になってくれたリシェルさんは、
さらさらの白いショートヘアに白い肌、金と緑とのオッドアイ、整った顔立ちに10代半ばのキュートボディという、ショーケースに飾って置きたくなるくらいの美少女っぷり、
を、忘れちゃうくらいの、
おしゃべり大好き活発お嬢さん、でした。
「倒した悪党すら魅了してしまう『乙女の守り神』ノルシェさん、ぜひ握手をっ」
握手を求められたノルシェ、照れまくり。
「ギルドもフリーも飛び越えた才能『最強にして最麗の冒険者』アイネさん、ぜひ後ほど手合わせをっ」
熱く見つめられたアイネ、照れまくり。
「チーム最年少にして『癒しの女神』マクラさん、ぜひハグをっ」
抱かれマクラ、照れまくり。
「完璧のさらに上を目指す『プリティストメイド』シジミさん、素敵ですっ」
キメポーズのシジミ、照れまくり。
「そして全国公式冒険者絵姿カード人気ダントツ1位『可憐なる闘神』モノカさん、お会いできて光栄ですっ」
私、照れまくり。
って、冒険者絵姿カードって、なんぞ?
「私の宝物なんですっ」
リシェルさんがポーチから取り出したのは、
私たちのマンガチックキャラが描かれたキラキラカード。
「この国だけじゃなくて、各国で売り切れ続出入手困難な大人気アイテムなんですよっ」
「みんな、知ってた?」
チーム一同、首を横にふるふる。
本人の許諾を得ていないのに公式とは、これいかに。
「皆さんがご存じないとは不可思議至極、さっそく調査にっ」
勇んで飛んで行っちゃいそうなリシェルさんを制して、
まずは、マクラ茶でも一服。
「すごく美味しいっですっ」
追撃で、アイネクッキーはいかがかな。
「とっても美味しいですっ」
なにこの娘さん、可愛すぎますよ。
ぜひがっつり餌付けして、変な男どもに横取りされぬようにせねば、
そこからは、リシェルさんのわくわくおしゃべりタイム、発動。