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01 うらやま

『リヴァイス 18 特使公爵の祝い事』の続きで、


 チームモノカのお話しです。


 お楽しみいただければ幸いです。



 私、秘崎萌乃果は今、人生の意味というものを深く考え込んでおります。


 異世界へと召喚され、素晴らしい仲間に巡り逢い、様々な苦難を乗り越え、自由の極致とも言える身分の特使勇者とまでなれた私。



 では、何を思い悩んでいるのか。



 あのですね、身の回りのですね、知り合いさんたちがですね、幸せさんだらけなのですよ。



 まずは、ひとり目。


 長い間、私と所属する王国との連絡役を務めてくれていた巡回司法官のメイジさんこと藪雨銘寺さんのこと。


 同僚の素敵キャリアウーマン、セルマさんとの電撃結婚、からの電撃新婚旅行、そして電撃寿退社。


 社内結婚で夫婦そろって辞めちゃったことを寿退社と呼んで良いのかどうかはさておき。



『突然ですみません。 僕とセルマのキューピッドであるモノカさんには後で必ずお伺いしますので、今は手紙だけでごめんなさい。 それじゃ、また』



 こんな手紙一枚で、どうしろと……


 あーもう、うずうずしちゃうったらありゃしないっ。



 そして、ふたり目。


 同じ時期に召喚された同期のサクラちっくお兄さんの冒険者アランこと佐州亜乱さんのこと。


 リリシアさんとマユリさんという素敵なふたりの奥さまとのらぶらぶ新婚生活を営んでいたアランさんが、隣国のお姫様ユイメイア姫に見染められてご結婚なされた、のです。


 ユイメイア姫が王女の身分を捨ててアランさんの胸に飛び込んだ、というふたりの出会いから婚姻の儀までの一連の出来事は、高貴な身分のご息女から庶民の娘さんまでの全ての乙女たちから憧れの対象となり絶大な支持を得る祝事となった、だそうです。


 ユイメイア姫は冒険者ユイとなり、ふたりの奥さまたちと仲睦まじく夫のアランさんの特使公爵活動を支え続けていらっしゃる、とのこと。



 こんなことを考えてしまう私は正直、人としてどうなのと思ってしまうのですが、


 うらやま。



 つまり、思い悩んでいるもなにも、独り身乙女が行き場の無い勝手な想いに身悶えしてるだけ、なのです。


 情けな。



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