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ツンデレな友達(?)ができました  作者: 黒輪サン
序章:春の体育祭
5/22

episode5 バトンタッチ

 体育祭に向けての練習が学校でも始まり、だんだん本番が近づいてくるのを感じさせる。

「じゃあリレーのメンバー集合~」

私が声をかけると橘さんたちメンバーが集まってきた。

「よし、じゃあ始めよ~」

みんなが準備を始めた。春の心地いい快晴がやる気を促進させる。そんなときリレーメンバー二人の会話が聞こえてきた。

「ねえ? 橘さんだいじょうぶかなあ?」 

「さあね~まあ、あんまり期待しないほうがいいかな」

ねえ、ちょっと待ってよ。それってあんまりじゃない?

「そんなことないよ」

つい、声が出てしまった。二人はハッとしたような顔で私のほうを見る。

「本当かなあ」

「なんか委員長最近変じゃない?」

そんなことを言って二人は準備を終えて練習にはいった。

「委員長……」

橘さんに声をかけられた。

「あ、橘さん。あの、全然気にする必要ないよ! 一緒に練習したでしょ?」

私の言葉はなんか慌てて励ましてるみたいで余計気にさせたかもしれない。

「そうよね、委員長ありが……」

途中で何故かいうのをやめた。

「え、なんか言おうとしたよね」

ちょっとからかうように言ってみたら、橘さんはいつもみたいに「なんでもないわよ」なんて言って練習にはいっていった。



 練習中。ついに橘さんが走る番になった。他の競技の練習をしているみんなも注目しているようだった。橘さんは緊張しているように見える。ついに来た。前走者は橘さんにバトンを渡す準備をする。橘さん、頑張れ。私たちの練習は無駄じゃないよ。橘さんはバトンをつかみ走り出す。その調子だよ。橘さんはまるで風と一つになったみたいに軽やかに地を蹴る。私が教えたままに。運動が苦手な橘さんだけど、そんなこと忘れるくらいにその姿は美しい。見惚れているうちに橘さんは私の目前に迫ってきていた。すっかり日常になった光景。バトンをつかむ瞬間、私と橘さんが一つにつながってるみたいで、橘さんがそばに感じられて、この感覚が今は大好き。バトンを受け取って走り出す。一気に風に乗ってゴールまで駆け抜けた。



 私がゴールしたときにはもう橘さんの周りにみんなが集まっていた。

「橘さんすご~い」

「足あんなに早かったっけ~?」

みんな成長に驚いているみたいだった。もちろんリレーメンバーの二人も認めてくれたみたいだった。私が安心していると、突然歌恋は言った。

「ねえ、華。あんたでしょ? 橘さんに走り教えたの。そっくりだったよ、びっくりするくらいに」

「あはは。ばれちゃった?」

さすが我が親友。おみとおしだ。なんかもう抑えられなくって思わず橘さんに抱き着いた。

「橘さん。完璧だったよ、本当に教えた通り」

「だから恥ずかしいって!」

そのあと三分くらい抱き着いてたら、そのあとまた優しいチョップをもらった。


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