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ツンデレな友達(?)ができました  作者: 黒輪サン
序章:春の体育祭
3/22

episode3 やっちゃった~!

 小鳥のさえずりが聞こえてくる心地の良い朝。私は慌ただしく学校に行く支度をしていた。

「あーーー!遅刻するーーー!」

バタバタと大きな足音を立てながら玄関へと向かう。

「いってきまーす」

家を出ると同時に全力で学校に向かって駆け出す。肌にあたるかぜがとても気持ちがいい。時間まであと10分、運動神経には自信があるのできっと間に合う……はず。

 


 大きな音を立てて教室のドアを開けるとクラス全員が私に注目した。

「お! 華おはよー。ギリギリだったね」

親友の歌恋(かれん)が真っ先に私に声をかけるとクラスのみんなは輪唱するように私に朝の挨拶をくれた。みんなに「おはよう」を返しつつ自分の席に向かう途中、じっと私を見つめる橘さんと目が合った。

「橘さん、おはよう」

笑顔で話しかけると橘さんは「おは……よ……」くらいにしか聞き取れないくらいだったけど返事をくれた。クラスのみんなは意外そうに橘さんを見ている。

「橘さん、今日の夜もよろしくね」

沈黙。橘さんは大きなため息をつく。周囲から話し声が聞こえる「え~? 委員長と橘さんってそんな関係だったの~?」なんて感じの。私はあわてて弁解する。

「いや~別にそういうことじゃなくって……あの~そう! 勉強教えてもらってたんだ! あはは」

ひきつった笑顔でそう言った。橘さんは成績が優秀だしみんなも納得したようだ。そんなことをしているうちにホームルーム開始のチャイムが学校中に響いた。担任の学先生はいつものように時間きっかりに教室のドアを開けた。相変わらずのロボットっぷりだななんて笑っていると先生は私に鋭い視線を向けて口を開く。

「百合園さん? チャイムが聞こえなかった?」

私は頭上に?マークが浮かんだような顔でいたからか先生はあきれ顔だった。

「華、早く座りな」

歌恋の声でまだ立ちっぱなしだったことを思い出しそそくさと自分の席に座った。みんなの抑えた笑い声が聞こえる。文字にすると「ふふふっ」みたいな。

 


 昼休み。私は授業の終わりを告げるのチャイムと一緒にお母さんのお弁当をカバンから取り出した。歌恋が私の席に向かってくる。歌恋とはいつも一緒にお昼を食べる。

「ねえ、華。今日橘さんがずーーーっとあんたの方見てたけど……ほら、今も」

橘さんの席に目をやると、今日の朝、教室に入ったときに向けてきた目と同じ目でこっちを見ている。

「ほんとだ」

「それにしても華が橘さんとねえ」

歌恋は信じていないようにみえる。それも当然だ私だって休み時間にクラスの誰かと橘さんが話してるのなんて見たことないもん。ご飯を食べてる間、今日はずっと橘さんの話をした。話してる間も橘さんの視線が気になった。もしかして私が変なこと言ったから怒ってるのかな?練習の時聞いてみることにした。


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