表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツンデレな友達(?)ができました  作者: 黒輪サン
第三章:夏休み
18/22

episode6(18) 惚気ちゃってもいいよね

 今日も今日とて橘さんとデート。今日こそは絶対にたくさん話してあんなことやこんなことも……なんて考えてはみたが最近の自分たちを振り返ると全く期待できそうになかった。




 公園につくと橘さんはすでにベンチに座って私を待っていた。


「遅い」


「ごめんごめん」


 私は橘さんに寄り添うように隣に座る。最近は進展がないけどこうしているだけでも幸せだ。


「暑い」


「そうだね~」


「委員長がくっついてるからでしょ」


「嫌?」


 橘さんはそのまま黙る。これは嫌がってない反応だ。なので私はくっついたままでいようとしたが、そうは言っても今日の気温は35℃。橘さんの言う通りくっついたままではいられないので名残惜しかったが離れることにした。


「やっぱり外暑いしどこか行く?」


「う~んどうしよう」


「てか委員長宿題終わった? 学校来週からだけど」


「あ」


 そう言えばそうだ。まだほとんど終わっていない。残りの宿題のことを思うと寒気がしてきた。暑いから寒気はウェルカムだけど。


「手伝ってあげるから図書館でも行ってやるよ」


「ありがとうございます」




 図書館の中は冷房が効いていてとても涼しい。ここならなんとか橘さんもいることだし宿題を片付けられそうだ。


「ほらさっさと始めるよ」


「う~めんどくさい」


「つべこべ言わずにやるの!」


 私たちが宿題を進めていると、ちょうど図書館に来ていた歌恋がやってきた。


「お! なんだなんだ告白成功したなら連絡してよ」


「あ。忘れてた」


「まあいいや。お邪魔しちゃ悪いしこれで」


 早々に退散しようとした歌恋を橘さんは止めた。


「加賀美さん。今暇? 暇でしょ。委員長の宿題手伝って」


「え? ああ。いいよ」


 橘さんの勢いに困惑している様子だがどうやら手伝ってくれるらしい。それにしてもなかなか強引だ。


「二人ってどこまでいったの?」


「はあ? いきなりそれ?」


「何恥ずかしがってんの~立花さん結構かわいいじゃん」


「でしょ?」


 ここで私の惚気スイッチがオンになった。真っ赤になる橘さんを差し置いて歌恋とどんどん盛り上がっていく。




 そうしているうちに日が暮れた。もちろん宿題はほぼ進んでいない。


「すみませんでした」


「ごめんなさい」


 橘さんは恥ずかしさのあまり思考が停止しているようだ。


「じゃあこの辺で~」


 歌恋は瞬く間に逃げて行った。


「……帰ろう。しっかりして橘さん」


「いつの間にかもう日が暮れてるし」


「ごめんね。盛り上がっちゃった」


「明日委員長の家行くから覚悟しといて」


 そう言えば今日はしっかり話せた。それだけで十分な進歩だよね。宿題は全然進んでないけど。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ